高森明勅

最もシンプルな憲法9条改正論

高森明勅

2018年 1月 27日

憲法9条は改正すべきか否か。

改正するならどのように改正すべきか。
最もシンプルに考えてみる。

(1)国家の統治は憲法によって正当化され、規律されるべきだ。

この点には殆ど異論がないだろう。

(2)ならば、憲法に国家最大の「実力」組織、
自衛隊を正当化し、
規律する条文がないのは、放置できない。
よって、
自衛隊の解体を望んでいるのでない限り、
9条の改正は当然。

3)ところが、今の自衛隊は「戦力」未満の非軍隊。
そのままでは、自衛権を十全に行使できない
(これが対米依存=
従属の根源)。

だから、現状のまま追認する訳にはいかない。

安倍加憲では駄目。

(4)現状を改め、自衛権を十全に行使できるようにするには、
どうすべきか。
9条2項の「戦力不保持」規定を見直さねばならない。

(5)併せて、自衛権の行使を規律する事も必要。
その為には、
指揮権のありかも、憲法に規定すべきだ。

(6)以上から、次の結論になる。
自衛権を過不足なく行使できるよう
「戦力」
の保持を認めながら、それを適切に制限、
規律する9条の改正が不可避だ。