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ゴー宣「憲法」道場、どんどん充実
ゴー宣「憲法」道場、どんどん充実
高森明勅
高森明勅 4月8日、ゴー宣道場。今回のゲストは憲法学者で慶應大学教授の山元一氏と衆院議員の山尾志桜里氏。 憲法シリーズの3回目だ。 私としては、回を重ねるごとに面白くなっている気がする。 第1部は、山元先生の基調講演から。親切なレジュメを配っ戴いて、実に分かりやすく丁寧に説明して下さった。帝国憲法の制定において「欽定」以外の選択肢はあり得たか、という私の質問に対して、...
帝国憲法への評価
帝国憲法への評価
高森明勅
高森明勅 帝国憲法について、これまでややもすると公平な評価がなされない傾向が強かった。そうした中で、以下のような言及には注目すべきではあるまいか。「昭和に入って、1930年代になると国際政治の上に、はげしい激流情況が現れた。独裁主義の諸国がおそるべき威力をもって、台頭してきた」 「この国際政局の大きな波濤が日本にも及んできたのは当然だった。日本の軍部や官僚が、この時代...
日本教師塾打ち合わせ
日本教師塾打ち合わせ
高森明勅
高森明勅 4月7日、今年度の日本教師塾の事前打ち合わせ(初めての試み。これまで事前の打ち合わせなどした事がない!)。その前にある単行本の打ち合わせがあった。 そこで、つい編集者に熱意を込めて喋ったので、待ち合わせ時間に少し遅れる(まさか1つの打ち合わせに2時間余を費やすとは)。多忙な世話役の先生方を待たせてしまった。この日も既に自主的な研修を済まされていたようだ。打ち...
許永中氏と竹田恒泰氏
許永中氏と竹田恒泰氏
高森明勅
高森明勅 在日韓国人実業家で“数兆円”のカネを動かし、イトマン事件などにも関わって「金融フィクサー」「最後の黒幕」「バブルの怪人」などの異名を取った許永中氏(現在は韓国在住)。 そのインタビュー記事に“旧皇族”を名乗る竹田恒泰氏の名前が出てくる。 「私が韓国の刑務所を出た後、(竹田)恒泰君がテレビで在日を差別するような発言をしたことがありました。腹が立ったんで私は苦情...
「陛下の思いを考慮することはありえない」?
「陛下の思いを考慮することはありえない」?
高森明勅
高森明勅 産経新聞(3月31日付)にこんな記事が載っていた。 「(天皇)陛下の譲位に関する儀式は、4月30日の『退位礼正殿の儀』のみとなる。陛下がパレードや饗宴(きょうえん)に消極的とされることから、陛下のご意向に応えた部分があることは否めない。 ただ、内閣官房皇室典範改正準備室側はあくまで『陛下の思いを考慮することはありえない』と断言する。憲法4条が『天皇は国政に関...
「今上天皇」という語
「今上天皇」という語
高森明勅
高森明勅 『石原信雄回顧談』(全3巻、ぎょうせい)が刊行された。竹下内閣から村山内閣まで7代の内閣で一貫して(事務方の)官房副長官を務めた石原氏は、現代史の稀有な生き証人。 その「回顧談」はとても貴重だ。 私も早速、入手した。 ところが、目次を眺めていると第3巻の第4章の見出しに「平成天皇」という語がある。 インタビュアー(上崎正則時事通信社総務局長)もこの語を使って...
柳田国男の大嘗祭論
柳田国男の大嘗祭論
高森明勅
高森明勅 民俗学の大成者、柳田国男。彼は貴族院書記官長として大正天皇の大礼に奉仕。その体験をもとに「大嘗祭ニ関スル所感」なる一文を認めた。そこには、盛大華美を旨とする即位礼の挙行と、神聖厳粛を旨とする大嘗祭の斎行とに、一定期間の“間隔”を置くべき事を提案していた。 両者の、儀礼としての性格の顕著な違いを考えると、極めて真っ当な提案だ。 前者は人々の気持ちを昂揚(こうよ...
高御座(たかみくら)は国民主権に反する?
高御座(たかみくら)は国民主権に反する?
高森明勅
高森明勅 皇太子殿下のご即位に伴う即位の礼(即位礼正殿の儀)が、来年の10月22日に行われることになった。 この時、新しい天皇は高御座(たかみくら)に昇られて、ご即位の旨を天下に宣明される。 この高御座は、平安時代以来の諸史料、特に江戸時代の絵図類を参考にして、大正の初めに復原・新造された。 歴史上、即位に当たって天皇が高御座に昇られたことを明確に確認できるのは、平安...
大嘗祭への公費支出は違憲か?
大嘗祭への公費支出は違憲か?
高森明勅
高森明勅 平成の大嘗祭に当たり、その斎行に公費を支出するのは、憲法に定める「政教分離」規定に違反するとの声が、一部にあった。 実際に訴訟も起こされている。 しかし、原告の訴えは全て斥けられた。 但し、大阪高裁の判決(平成7年3月9日)では以下のように言及していた。 「大嘗祭が神道儀式としての性格を有することは明白であり、これを公的な皇室行事として宮廷費をもって執行した...
共同通信の取材など
共同通信の取材など
高森明勅
高森明勅 3月30日。政府は天皇陛下のご譲位と皇太子殿下のご即位に関わる一連の行事について基本方針を定めた。 これについて、共同通信から取材を受けた。 私は、全体としては概ね評価できる、と述べた。 これは、昭和から平成への御代替わりの際に、儀礼の在り方について比較的よく検討されており(当時の内閣官房副長官だった石原信雄氏の貢献を見逃せないだろう)、それをほぼそのまま踏...
展転社35年祝賀会など
展転社35年祝賀会など
高森明勅
高森明勅 3月29日日。 長男の友人で写真家のHAYATO君(ニューヨーク在住)が新宿で写真展。 長男と一緒に出かける。どれもセンスが光るお洒落な写真だ。残念ながら本人とは会えなかった。 その後、1人で市ヶ谷のホテルに移動。PHP研究所が年末に刊行予定の本の監修を依頼されていて、その打ち合わせ。 途中、共同通信の記者から、私が翌日コメントをする為の資料(翌日の閣議後の...
皇后陛下のご体調
皇后陛下のご体調
高森明勅
高森明勅 3月27日から29日まで、天皇・皇后両陛下には沖縄への格別の思し召しによって、同県にお出ましになられた。これで皇太子時代を含めると11回目になる。28日には日本最西端の与那国島まで、わざわざお足を運ばれた。「国民統合」という重い責務を深く自覚なされてのことと拝察申し上げる。あたかもご自身のお出ましで、日本全体を漏れ無く繋ぎ合わせようとなされているかのようだ。...
安倍政権「放送」破壊の企て
安倍政権「放送」破壊の企て
高森明勅
高森明勅 安倍政権が「放送法」の改正を目論んでいる。これをどう捉えるべきか。 既に様々な意見が出されている。その一部を紹介しよう(読売新聞3月27日付)。 「政府の規制改革会議は放送とインターネットなどの通信の垣根をなくすため、政治的公平性などを求める放送法4条を撤廃しようとしている。ネットの役割は近年高まっているが、ネットの世界は何でもありだ。日本では放送法で示され...
信頼なくして改憲なし
信頼なくして改憲なし
高森明勅
高森明勅 自民党の小泉進次郎衆院議員が「信頼なくして憲法改正なし」と述べていた。立憲民主党代表の枝野幸男衆院議員も似たような発言をしている。「公文書ですら信用できない政権が、何をいっても信用できるはずが無い。今の状況で、とてもまともな、まっとうな憲法についての議論ができる前提がかけている。それを壊したのは安倍さん本人なんだから」と。それぞれ肚の中には政局的な思惑がある...
違憲論争に終止符?
違憲論争に終止符?
高森明勅
高森明勅 自民党大会。 安倍首相は「憲法9条に自衛隊を明記し、違憲論争に終止符を打とう」と訴えた。 しかし、これまで繰り返し指摘して来たように、9条2項の「戦力不保持」規定を残したままでは、違憲論争は終わらない。 だけでなく、憲法の規範性が喪われない限り、自衛隊のみならず、立法や行政などに関わって、様々な「違憲」論が提起されて当然だ。 でなければ、そもそも憲法の存在意...
アカデミズムとジャーナリズム
アカデミズムとジャーナリズム
高森明勅
高森明勅 一般的に言って、アカデミズムとジャーナリズムの間には、見えない“溝”があるのではないか。 例えば、元国立民族学博物館長で文化勲章を受賞された故・梅棹忠夫氏にこんな言及がある。 「アカデミズムとジャーナリズムとのあいだには、伝統的にいくらか溝がある。両者はたがいに、ときには批判的であり、反目しがちである。とくに、わたしのように、アカデミズムのなかでそだった人間...
安倍加憲か、立憲的改憲か
安倍加憲か、立憲的改憲か
高森明勅
高森明勅 朝日新聞(3月24日付)に「『護憲vs改憲』を超えて〔下〕」という記事。 〔上〕とは別の3人の識者の意見を載せる。 1人は京都大学教授で国際政治が専門の中西寛氏。 「憲法9条を改正すること自体には賛成です。…ただ、いま進んでいる9条改正論はどうなのか。政府は、9条で自衛権の行使は否定されておらず、自衛隊は合憲という立場を一貫してとってきました。憲法学者の間に...
分断か、統合か
分断か、統合か
高森明勅
高森明勅 朝日新聞(3月23日付)に「『護憲vs改憲』を超えて〔上〕」という記事。 3人の識者の意見を載せる。1人は駒沢大学教授で現代政治理論が専門の山崎望氏。 「9条改憲の理由として、憲法学者が自衛隊は違憲だと言うから、と語られていますが、裏を返すと、差し迫った必要性がないことを証明しています。東アジアの安全保障環境の変化に、緊急の対応が必要と考えるならば、ハードル...
小学生に「読書」の魅力を
小学生に「読書」の魅力を
高森明勅
高森明勅 「読書」という習慣は、教養の面でも娯楽の面でも、極めて大きな意味を持つ。 一言で言えば、人生の幅と深みを格段に増やしてくれる。 だから、多くの人に読書の魅力を知って欲しい。 小学生、中学生、高校生で、「読書」の魅力に最も触れやすい時期は、いつか。何と言っても小学生の時だろう。 感性が柔軟で、時間の余裕もある。 小学生の時に読書の魅力に気付き、その習慣を身に付...
天皇陛下の沖縄行幸
天皇陛下の沖縄行幸
高森明勅
高森明勅 天皇陛下は来る3月27日から29日まで沖縄をご訪問になる。 「天皇」としてのお出ましは、恐らくこれが最後になるだろう。陛下はこれまで10回に亘って沖縄を訪れておられる。皇太子時代に5回、ご即位後に5回だ。最初は沖縄の祖国復帰3年後の昭和50年。沖縄国際海洋博覧会の開会式(政府出展施設の合同開館式)にご臨席の為だった(7月17日から19日まで)。 ご慰霊の為、...