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八木秀次氏と宮内庁内部のアンチ皇太子派
高森明勅
日本国体学会の機関誌『国体文化』8月号は 「八木秀次氏の皇室論に異議あり」という特集を組んでいる。 その中に、八木氏の6年前の文章からの引用がある。 『SAPIO』平成19年5月9日号に載った 「『雅子妃問題』で天皇の本質的要素たる 『宮中祭祀』が危機に頻しつつある」という文章の一節だ。 このタイトルは、恐らく八木氏の主張の要点を最も適格に 要約したものだろ...
『WiLL』9月号の拙文だけは読んでくれ!
高森明勅
これまで高森の文章なんて読んだことがないって人。 オーライ。 これからも高森の文章なんて読む気なしって人。 それも結構。 だが、こいつだけは、読んで欲しい。 『WiLL』9月号の拙文 「雅子妃『不適格』報道の不敬」。 口幅ったいようだが、現時点で、 皇位継承や摂政といった重大テーマを扱って、 ここまで掘り下げて、単刀直入に書けるのは、 私以外に、そう何人もい...
古代の天皇祭祀への皇后の「助祭」
高森明勅
先に、雅子妃殿下のご療養と皇室祭祀の兼ね合いを考える 補助線として、近代の皇室祭祀における皇后の関わりについて、 少し触れた。 ここでは、前近代の事情について、いささか補足しておく。 天皇ご自身が奉仕される大切な祭祀に新嘗祭がある。 これに類した祭祀として、やはり天皇親祭の 神今食(じんこんじき)という神事が、かつてあった。 これらの祭祀に、皇后が「助祭」と...
研ぎ澄まされた誠実さゆえに
高森明勅
私が知る国分隆紀兄は、溢れる才能と、真っ直ぐな心根と、 精悍な容姿と、健康な身体と、日本男児としてのたしなみを、 全て一身に兼ね備えていた。 少し出来すぎた話のようだが、事実だ。 私は、人を羨んだことはない。 だが兄にだけは、それに近い感情が動かなかったと言えば、 嘘になるかも知れない。 兄と会い、別れた後は、いつも清涼な一陣の風に吹かれたように、 爽やかだ...
国分兄『春のかぎり』から
高森明勅
今は亡き国分隆紀兄の詩集 『春のかぎり』(昭和54年)の、 兄の志と心ばえを偲ばせるいくつもの作品の中から、 ひとまず2篇だけ、掲げておく。 敬愛してやまなかった兄への、せめてもの弔いとして。 海鳴り 血と鉄の交るあたり かつて火焔(ほのほ)を吹き 尽きた命は かへらぬ海の墓標となり はや青白き魚の棲栖(すみか)となつたといふ たゆるなき海鳴りよ あれは 雄...
我が敬愛する国分隆紀兄の死
高森明勅
出先で携帯に電話が入った。 ただならぬ気配。 既に相手は、電話口で泣いている。 「国分さんが…亡くなりました」 行きつけの飲み屋で倒れていたと。 我が敬愛する国分隆紀兄の、突然の訃報だった。 兄とは、兄が早稲田の学生だった頃に出会った。 だから、もう35年以上の縁だ。 学生時代、桜が咲き初めた春の1日、早稲田キャンパス内の、 兄が属していた国策研究会の出店 ...
「皇太子殿下はオーラが違う」
高森明勅
私が尊敬している若手の会社経営者がいる。 数年前、彼と雑談していて、 たまたま話題が皇居勤労奉仕の話に及んだ。 「えー。我々一般人でも皇居の中に入って、 ボランティアで清掃させて貰えるんですか。 そんな機会があるなんて、全く知りませんでした」と驚いていた。 と思ったら数ヶ月後、 「来月、社員と一緒にご奉仕させて戴くことになりました。 ついては、事前に勉強会を...
皇室祭祀での皇后の御拝礼の創始理由
高森明勅
皇太子妃雅子殿下のご療養が長引き、 皇室の祭祀にも十分お出ましになれないことを、 口を極めて非難する向きがある。 皇后になられても、祭祀に関われないのではないか、とか。 さもそれが、皇室の伝統を根底から崩してしまうかのような口ぶりだ。 しかし、皇室祭祀の第一義は「天皇の祭祀」である点に こそ存することは、前にも指摘した。 では、それに皇后が関わるようになった...
原発を巡るトリック話法(2)
高森明勅
安倍首相はTBSの番組で原発について 「地元の同意を得る努力をしながら再稼働していきたい」 と語った。 巧妙な発言だ。 テレビの放送中にさらっと聞くと、 しっかり地元の意向を尊重し、 地元の同意を前提に再稼働に踏み切るように、聞こえてしまう。 と言うより、そう受け取られるのを狙った発言だ。 しかしこれも、安倍首相流のトリック話法だ。 「地元の同意を得ながら」...
原発を巡るトリック話法
高森明勅
昨年の衆院選の大きな争点の1つは、原発だった。 自民党以外の各党は、多少の温度差はあったが、 揃って脱原発の方向性を打ち出した。 自民党は一方で、 「原子力に依存しなくても良い経済・社会構造の確立を目指します」 と脱原発的なポーズを取りながら、 もう一方では 「10年以内には将来にわたって持続可能な 『電源構成のベストミックス』を確立します」と、 曖昧な公約...
参院選は自民党の得票数に注目
高森明勅
この度の参院選で、自民党が単独で過半数の議席を獲得する、 との予測も現れる中、真に注目すべきは、 自民党の「得票数」だろう。 棄権者も含めて、全有権者の内、 自民党に投票する者が何人いるのか。 また、これまでの選挙と比べて、その人数が増えているのか、 減っているのか。 議席数ではなく、国民一人一人の投票の実態を見ることで、 自民党への国民の支持がどの程度か、...
出色の『祖国と青年』「ご結婚20年」特集
高森明勅
日本協議会・日本青年協議会の機関誌『祖国と青年』7月号は 「皇太子同妃両殿下ご結婚20年」の特集を組んでいる。 その内容は、 1、両殿下の「ご感想」。 2、両殿下の御歌。 3、鈴木由充編集長「皇太子同妃両殿下20年の歩みを振り返って」 の3本。 鈴木氏の文章は、両殿下への敬慕の念に溢れ、 しかも見落とされがちな大切な事実に光を当て、素晴らしい。 締めくくりの...
長谷川三千子氏の新著『神やぶれたまはず』の出現
高森明勅
長谷川三千子先生から 新著『神やぶれたまはず―昭和二十年八月十五日正午』(中央公論新社)をご恵送頂いた。 一気に読了。 このような書物が書かれたという事実を、 日本の神々に感謝したい気持ちになった。 昭和20年8月15日正午という、 我が国史上の一瞬が持った最も深い意味を、見事に解き明かしている。 日本人が長く見失い、忘れ去った、 あの奇蹟のような一瞬の深層...
「秋篠宮摂政」論は皇位の簒奪を意味する
高森明勅
「秋篠宮摂政」論の正体が、 まだピンと来ていない向きもあるようだ。 ポイントは「摂政」。 摂政とは何か? 歴史上の概念としては 「天皇にかわり万機を統摂する職で…文字通り天皇を代行」する (森田悌氏『日本古代史研究事典』)。 近代の日本では、大日本帝国憲法の第17条第2項に 「摂政ハ天皇ノ名ニ於テ大権ヲ行フ」と規定。 現在の憲法でも、第5条に 「…摂政は、天...
雅子妃殿下バッシング報道の嘘八百
高森明勅
皇太子妃雅子殿下へのバッシングが酷い。 反論出来ない相手に、事実をねじ曲げて一方的な攻撃を繰り返す。 それだけでも許し難いが、妃殿下はご療養中の身なのだ。 殆ど常軌を逸した振る舞いと言う他ない。 いくつか、既に真相が暴かれた虚偽報道の例を紹介しよう。 その1。 平成19年12月28日、皇太子・同妃両殿下が 銀座の三ツ星レストランで、 敬宮殿下にお留守番をさせ...
皇室を「上から目線」で見る愚か者
高森明勅
近頃、若者が「俺様」化している、との論があった。 当たっているのか、それとも「今どきの若者は…」という、 昔から繰り返されて来た年寄りのボヤキの現代版でしかないのか。 それは知らないし、さほど関心もない。 それより気になるのは、自分では保守系と思っている者の中に、 あろうことか皇室を「上から目線」で見る愚か者がいることだ。 例えば、 「雅子妃が療養を続けたま...
皇室典範は何のためにあるのか?
高森明勅
近頃「秋篠宮摂政論」などという暴論が世に現れた。 あろうことか、皇位の継承に臣下、 国民の恣意を介在させようというのだ。 何という思い上がりか。 それに対して 「宮内庁内で検討課題になっていなければおかしい」 「いま考えられる最も現実的な選択肢」(八木秀次氏)などと、 もろ手を挙げて賛意を表する向きもある。 一体、何を考えているのか。 国家国民統合の中心であ...
雅子妃殿下と皇室祭祀
高森明勅
残念ながら、ご療養中の皇太子妃雅子殿下を巡り、 無責任かつ悪意ある記事をしばしば見かける。 それらでコメントしている識者も、 皇室についての無知や誤解に基づくか、 或いはバランスを欠いた発言が目につく。 まず、最も基本的な事実として、 皇太子殿下がご療養中の妃殿下を支えながら、 ご公務に精励しておられるにも拘らず、 このことが殆ど無視されているのはどうしたこ...
誰が雅子妃殿下のご快癒を阻んでいるのか?
高森明勅
雅子妃殿下のご療養が長引いている。 大きな決断をして皇室に嫁いで下さった妃殿下に、 国民の一人として申し訳ない気持ちで一杯だ。 妃殿下はご独身時代、ご自身のご努力によって、 ご自分の望んだ通りの人生を切り開き、 順風満帆の日々を送っておられた。 それを擲って、皇太子妃としての人生を選んで頂いたのだ。 皇太子妃という立場がいかに険しい境遇か。 既に皇后陛下の前...