高森明勅

原発を巡るトリック話法(2)

高森明勅

2013年 7月 12日
安倍首相はTBSの番組で原発について
「地元の同意を得る努力をしながら再稼働していきたい」 と語った。 巧妙な発言だ。 テレビの放送中にさらっと聞くと、 しっかり地元の意向を尊重し、 地元の同意を前提に再稼働に踏み切るように、聞こえてしまう。 と言うより、そう受け取られるのを狙った発言だ。 しかしこれも、安倍首相流のトリック話法だ。 「地元の同意を得ながら」とは、決して言っていない。 「得る努力をしながら」としか言っていない。 つまり、 「同意を得るように一応、それらしい努力はしますよ。 格好だけでもね。 でも地元がわからんちんで同意が得られなくても、 それは仕方がない。 その時はかまわず、どんどん再稼働はやるよ」ってこと。 よく裏声の部分を聞き取らないと、また騙されてしまう。