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防人歌に見る「公」と「私」
高森明勅
高森明勅 古代日本の国防の第一線にたった防人たち。彼らの和歌が多く『万葉集』に収められていることは、よく知られているだろう。 その中でも有名なのはーー 「今日よりは かへりみなくて 大君の 醜(しこ)の御盾(みたて)と 出で立つ我れは」という歌だ。 直訳的には、今日からは、父母も妻子も全ての私的な事情は顧みないで、天皇陛下の精強な盾として出立することだ、私はーといった...
支え合う「公」と「私」
高森明勅
高森明勅 前回の道場では、「公」と「私」を単純な二項対立の図式で理解すべきではないことを述べた。 「私」の現場から立ち上がったのではない、「公」の領域に関わる言説や行動は空虚であり、空虚であるが故に必ず倨傲な逸脱に陥るし、「公」と接点を持たず、「公」への志向性を持たない「私」は貧しく、孤立的であるが故に必ず歪にネジ曲がってしまうからだ。 「私」に根を持たず、「私」を媒...
「場外乱闘」に乱入!!
高森明勅
高森明勅 道場終了後、会場の近くで座談会の収録。 その後、みんなで軽く懇談して、小林さんや堀部師範らと別れた。 そのまま帰宅のつもりが急に、道場参加者の有志(or飲んべえ)たちが「場外乱闘」と称して、近くの酒場で盛り上がってるから、「乱入」しようという話に。 でも場所を知らない。ところが、切通氏が野生の勘でつき当てて下さった。 盛り上がっていた皆さんには、招かれざる客...
いわゆる「A級戦犯」合祀は「無効」?
高森明勅
高森明勅 見落としていたが、9月10日のブログで取り上げた件、『毎日』も報じていた。 「原口総務相、A級戦犯の合祀手続き検証へ、省内に検討会」と(毎日jp9月8日)。 こちらの記事での原口大臣の発言は次の通り。 「(合祀事務協力の)行政的な手続きが無効であるとすると、(その後にA級戦犯が)合祀されている史実自体が、歴史の事情と違うことになる」「行政手続きに瑕疵(かし)...
原口大臣の靖国神社「公式参拝」を期待
高森明勅
高森明勅 今週の『週刊文春』(9月16日号)に「原口総務相『靖国公式参拝』宣言」との記事が載っている。 以前、私はこのブログで、菅内閣の閣僚が終戦記念日に誰も靖国神社に参拝しないことに絡んで、この日でなくても春秋の大祭に合わせて参拝して欲しい、と希望を述べた上で、こう書いた。 「ゴー宣道場で最後のメッセージとして『報恩』という言葉を掲げた原口大臣の心中やいかに」と(「...
ブログに熱中、鞄を忘れた!
高森明勅
高森明勅 お気に入りの鞄を無くした。ブログのせいで。顛末はこうだ。 始発の駅で電車を待つ寸暇を惜しんで、ベンチでブログを打ち始めた(我ながら感心感心)。 その時、持っていたのは愛用の鞄と、出先での頂き物。私は、自慢ではないが、普段から忘れ物、紛失物がやたらに多い(確かに自慢出来ることじゃない)。 そのことは、自分でも薄々気が付いていて(薄々かよ!って、家内あたりから突...
外国人も日本の首相選びに参画!
高森明勅
高森明勅 9月6日付『産経』に「首相選び、外国人も関与」との記事が載った。 民主党の代表選挙に在日外国人の党員、サポーターの投票が可能で、事実上の首相選びに、外国人が関与出来るのを問題視したもの。 もと外国人参政権推進の理論的主柱で、その後、明確に「転向」された憲法学者の長尾一紘氏(中央大学教授)の簡明、端的な批判的コメントが載っている。 「はっきり憲法違反…国民主権...
ポ宣言+もう1つの条件
高森明勅
高森明勅 ポツダム宣言は「降伏条件を提示した文書」(国務省覚書)だった。 のみならず、当時の政府はさらに、独自の「条件」を提示していた。 それが他でもないーー国体の護持、だった。 これは日本にとって、絶対譲れない条件。 我が国は、ポツダム宣言が「天皇の国家統治の大権を変更するの要求を包含し居らざることの了解の下に」これを受諾すると回答した。 これに対するアメリカ側の応...
「無条件降伏にあらず」で頭がフリーズ
高森明勅
高森明勅 昭和54年生まれの小学校教師のK君。 私がお手伝いしている研修で、講師を務めた東大名誉教授の口から「日本は無条件降伏していない」という発言を聞いた瞬間、頭がフリーズ状態になって、暫くノートを取ることも、講義内容を頭の中で整理する事も出来なくなったという。 彼にとって余りにも、思いも寄らない指摘だったようだ。 我が国の降伏条件を規定したポツダム宣言を実際に読ん...
「宿敵」加藤紘一氏との対決?
高森明勅
高森明勅 次回道場のゲストは加藤紘一代議士。 加藤氏と言えば、ネット上で「江の傭兵」(かつての中国国家主席、江沢民の傭兵)などと悪口を言われていた河野洋平氏が政界を引退した後、自民党ハト派、リベラル勢力、親中派の第一人者と見られている人物。 今の自民党の谷垣総裁の親分にあたる政治家でもある。 そんな立場が隔たってそうな大物政治家が、世俗的には何のメリットもなさそうな、...
靖国神社は甦るか?だって。
高森明勅
高森明勅 古本屋でこんなタイトルの本を見かけた。 『国家神道・靖国神社は甦るか』だと。 思わず「そんなもん、甦るはずないだろ!」と心の中で突っ込んでしまった。 著者も版元も確認していなければ、中身も1ページだって開いていない。 はっきり言って、本棚に収まっている背表紙をチラッと見ただけ。 だから、批判も反論も出来ないわけだが、このタイトルはないだろう、と思った。 普通...
「あさなぎ」設立時の小林さんの講演
高森明勅
高森明勅 平成18年の「あさなぎ」設立の際、私がお願いして、小林さんと私がそれぞれ講演をし、その後、2人で討議するという企画が実現した。 小林さんは若者たちの新しい動きを応援しようと、この企画に乗って下さったのだ。 「あさなぎ」のメンバーは大喜びだった。 振り返って感心するのは、小林さんはこの時、すでに若者たちに媚びたり、おだてようなどと、微塵もしておられないことだ。...
参院選「輿石」辛勝の背景
高森明勅
高森明勅 いささか旧聞に属すが、参院選の話題を。 さきの参院選で最も注目された選挙区の一つは、山梨県選挙区だった。 「参議院のドン」とか「日教組のボス」などと呼ばれ、民主党の組合支配を象徴する、小沢一郎氏の最側近、輿石東氏に無名の元高校教師、宮川典子氏が挑んだ。 そもそも、あの鳩山・小沢ダブル辞任も、この輿石氏が、このままでは自分の選挙戦が危ない!というので当時の小沢...
「あさなぎ」への誤解(続々)
高森明勅
高森明勅 私が先に(続)で事実誤認を指摘した件につき、早速、小林さんにお認め頂いた。 共に公論形成に参画する者として、その率直かつ潔い態度に心より敬意を表したい。 なお予めお断りしておくと、運動だから良いとか悪いとか、そんな決めつけには、私はあまり関心がない。 現にこれまで、自分で必要かつ有益で、しかも自ら参加が可能だと判断した運動には、微力ながら加わって来たし、ささ...
友の一周忌
高森明勅
高森明勅 神奈川県厚木市にある日蓮宗満星山「戒善寺」で友人の一周忌があった。 癌が発見された時は、既に末期。 直ちに告知を受け、カウントダウンが始まった残り僅かの余生を淡々と、懸命に生きた。 身体に穴を開け、そこから抗がん剤などを流し込みながら、殆ど苦痛や動揺の表情を見せず、以前と変わらぬ様子で、事務仕事の勤務をギリギリまで続けていた。 彼は普段、決して大言壮語するタ...
「あさなぎ」への誤解(続)
高森明勅
高森明勅 信頼があるから礼節を弁えて、率直に異論を交換出来る。公論は、そのような尊敬と誠意に裏打ちされた、品格のある討議の中から形成される。 以前、道場でそんな発言をした。今回、小林さんが私の発言に誠実に反応してくれたのは、まさにそうした相互の信頼と公論形成への熱意の証として、心から嬉しく感じた(高らかな音が出る拍手を会得されたことも!)。 ただその中で、意見の違いと...
安全保障懇談会の報告書
高森明勅
高森明勅 首相の諮問機関「新たな時代の安保保障と防衛力に関する懇談会」の報告書が提出された。 内容は、冷戦期が遥かな過去となった「新たな時代」に相応しい防衛のあり方に向け、たとえ半歩でも踏み出そうとするもの、と評価出来よう。 具体的には (1)「基盤的防衛力」という名の事実上の防衛サボタージュからの脱却、 (2)非核3原則の将来的な見直しへの示唆、 (3)武器輸出3原...
「カラフル」を観た
高森明勅
高森明勅 「クレヨンしんちゃん」の劇場版のシリーズで最高傑作といえば「オトナ帝国の逆襲」と「戦国大合戦」ってことに異論を挟む人は、ほとんどいないはず。 とくに「戦国」なんか実写版「バラッド」(山崎貴監督、主演は草なぎ剛)の原案にもなった。 この2作を手掛けたのが、原恵一監督。 原監督には「河童のクゥと夏休み」もある。 こちらは、知らない人がいるかも知れない。 だが日本...
「あさなぎ」への誤解
高森明勅
高森明勅 ひょっとしたらどこかで誤解が生まれているかも知れない。 それを放置するのも誠実な態度ではないだろう。 そう思って筆をとることにした。靖国神社崇敬奉賛会の青年部(愛称あさなぎ)のことだ。 私のブログや道場での発言などから、「あさなぎ」をあたかも運動体の一種のように錯覚している人はいないだろうか。 もしそのような誤解が生まれているとしたら、残念だ。 神社には普通...
1泊2日で「皇室研究」ゼミ
高森明勅
高森明勅 さる公益財団法人が経営する、大学の学部や大学院を終えた諸君を対象とした2年制の「少数精鋭」の教育機関がある。 そこで創設以来、「皇室研究」の講座を担当してきた。 今年は私の都合で、まず導入講義で各自に課題を割り振り、少し間をあけて準備をさせ、2日間で集中的にやることにした。 それぞれ担当者がテーマごとにレジュメをもとに発表、受講生同士で質疑応答や討議をし、最...