デイリー新潮に掲載されたこちらの記事。
「愛子天皇論」の裏にある“不敬”の正体 皇位継承議論、衆院選で見えた「中道」の曖昧さ
端的に言って、欺瞞やすり替え、そして男系カルトとしてのポジショントークに満ちた、近年稀に見る酷い記事です。
まず、最初の見出しに「皇位継承を人気や政治的思惑で決めてよいのか」とありますが、この記事自体が、衆院選に伴う「中道下げ」「自民党上げ」の意図で書かれたのは(特に後半で)明らか。「不敬」、秋篠宮さま、悠仁さまを「『廃嫡』にするのか」、「愛子さまがそんなことを快く思われるはずはない」といった強い言葉で牽制してマウントを取ろうとしますが、それは極めて政治色の強い自身の主張を棚に上げた大いなる欺瞞です。
こうした欺瞞と、それと一体になった論点のすり替えやミスリードは、文中の様々な部分に見られます。
例えば、愛子天皇待望と共に秋篠宮家への異様なバッシングを行っている者について。私もそうした者たちは軽蔑しますが、同時に男系固執の主張と共に、今上陛下ご一家への異様なバッシングを行っている者も多数存在する事を無視し、「反論する術を持たない皇室への卑怯なバッシング」という問題の一側面だけを「『愛子天皇論』の裏にある“不敬”の正体」へ強引に結びつけようとしています。
この「すり替え」を行った上で示される皇后陛下へのバッシングとご不調は、まさに「絶対に男子を産むように」という因習への固執とプレッシャーに起因するものであるのに、男系男子固執論を展開する上でのレトリックとして利用している。
異様な皇室バッシングを行う者は卑怯者だと思いますが、この記事を書いた椎谷哲夫という人物こそが「卑怯者の極み」です。
この人物を検索してみると、男系男子固執を強く主張し、自民党の支持基盤である日本会議系のイベントで多くの講演などを行っており、全てがポジショントークでしか無い事がよくわかります。
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こういう書き方は卑怯だって?外でもない椎谷自身が文中で、例えば立皇嗣の礼に関する高森明勅先生の著述やコメントを批判した上で
そんな高森氏が「講師」として立憲民主党の勉強会に呼ばれていたというのだから驚きだ。
などと「政治的思惑」へダイレクトにつなげてたりしているのだから、この記事の根底自体が「そういう話」なんです。
椎谷の主張は、典型的な男系固執論と、愛子さまの人気と秋篠宮家バッシングを一体のものとして印象付けようとする誘導した上で「(男系男子の)皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない」という(将来、皇室の消滅へとつながってしまう極めて無責任な)スローガンを後押しするものでしかありません。
しかし、実は一点だけ同意できる所があります。それは、終盤の見出しとなっている「『女系天皇はダメでも女性天皇は認める』の矛盾」という言葉。
記事中の椎谷の弁は「女性天皇は中継ぎ」「万世一系の男系」という、学術的にはほぼ否定されている観念のテンプレートでしかありませんが、女性尊重の体で示される「女系天皇はダメでも女性天皇は認める」というスタンスが、「女の血には価値が無い」という強烈な男尊女卑と何ら変わらないという矛盾、正確に言えば「欺瞞」を、何人もの中道の候補や立憲の議員が示してしまっている事を、大変憂慮しています。
それは「曖昧戦略」的に回答したものかもしれませんが、結果的に「強烈な男尊女卑と同義」になり、こうして因習固執者による攻撃の材料とされてしまうんです。
「女性は良いけど女系はダメ」とアンケートに答えてしまった中道の候補さんや立憲の議員さん、男尊女卑の後押しは本当にあなたの本意ですか?
良く考えた上で、ぜひ「愛子さまを皇太子に」、そして本来の伝統である双系継承への皇室典範改正を、しっかりと表明してください!