小林よしのり

一周遅れの自己満足な慰安婦議論

小林よしのり

2014年 8月 21日


産経新聞に「慰安婦の虚像と実例」という記事が載っている。

慰安婦は将兵とスポーツやピクニックを楽しみ、

高価な蓄音機を持ち、買い物にも出かけていた、

日本人兵士と結婚もしていた云々という米軍の史料を

持ち出している。

この史料は、わしが17年前に「異議あり!」という深夜番組

で読み上げたことがある。

プロ市民+佐高信の5人相手に、わし1人で討論した番組

だったが、懐かしい思い出である。

つかこうへいの著書「娘に語る祖国 満州駅伝―従軍慰安婦編」

も当時読んで、感心したものだ。

在日でも、公平にわかってくれる者がいると思って驚いた。

つかこうへいは最後まで尊敬すべき人物だった。

だが、あの時代ならば、「性奴隷とはほど遠い」という認識で、

戦える状況だった。

今はもう遅い。

朝日新聞はアメリカの価値観まで後退しただけだ。

とても賢い。

自称保守派はアメリカの価値観と戦わねばならないのに、

未だに朝日新聞を目の敵にしている。

一周遅れの議論で自己満足したいのだろう。

親米保守なのにアメリカと価値観を共有できないジレンマから、

いつまで目を背けておれるのか観察しといてやろう。