高森明勅

英霊に顔向けできるか

高森明勅

2015年 4月 21日
4月21日から靖国神社の春季例大祭。

22日には、この度も勅使のご差遣を仰ぐ。

陛下の靖国神社の英霊にお寄せになるお気持ちは深い。

だが、戦後70年の節目の年だというのに、首相の参拝はない。

どころか、そのことが話題にすらならない。

一昨年の参拝でアメリカが「失望」を表明したから。

英霊への尊崇を軽々しく口にしても、アメリカの顔色を窺うのは、
それより大事と心得ているんだろう。

安倍首相は今頃、スピーチライターを督促して、
4月29日のアメリカ議会での演説原稿を書き進めさせて、ご満悦か。

それは、集団的自衛権の行使容認を踏まえ、
大幅な軍事費削減を進めるアメリカへの、防衛(?)
“協力”
の拡大をアピールする内容になるはずだ
個別的自衛権すら満足に行使できないまま!)。

コストとリスクを計算すれば“アメリカ追従”が
正しい現実的判断」。

いわゆる「保守」系の人々は、そう開き直る。

だがそれで、祖国の独立と栄光の為に尊い一命を捧げられた英霊に、
顔向けできるのか。