高森明勅

「ともちん」の「認識」と「指示」

高森明勅

2017年 7月 29日

「ともちん」と言えば、往年のAKB48ファンなら
板野友美さんを連想するだろう。

だが安倍首相にとっては、“秘蔵っ子”
稲田朋美前防衛大臣のこと。

その稲田氏は、「日報」の存在を報告されていたのか、否か。

特別防衛監察では予想通り、その肝心な部分を曖昧にした。

しかし、よく読むと口頭では報告されていた、と匂わせている。

本人の説明でも、「報告されたとは“認識”していない」
非公表や隠蔽を“指示”したことはない」という言い方。

これらも“安倍政権語”だから、
普通の日本語にすると以下の通り。

「報告はあった。
しかし、私は報告だったとは認識していない。
あれは報告者の単なる独り言に過ぎない」

非公表や隠蔽を黙認し、暗黙の同意を与え、了承はした。
しかし、
ことさら指示をしたり、命令した訳ではない」。

更に、以前から「辞めたい」と弱音を吐いていたらしい。

でも、安倍首相が認めなかった。

何故か。

「ともちん」を守る為もあろう。

だがそれ以上に、安倍内閣への支持率が下がる、
と“錯覚”していた節がある。

産経新聞は、ある時点から稲田バッシングに舵を切った。

偉大な指導者」安倍首相の足を引っ張る愚か者!という扱い。

っさと辞めろ、と。

しかし実際は、安倍首相が稲田氏の足を引っ張って、
辞めさせなかった。

産経新聞の見当外れの忠義立てに、
安倍首相が内心“舌打ち”
していたかと思うと、少し笑える。