高森明勅

国防の混乱を生み出したのは誰か?

高森明勅

2017年 7月 28日

防衛大臣、防衛事務次官、陸上幕僚長という、
防衛省・
自衛隊の最高指導部が揃って辞任へ。

北朝鮮の弾道ミサイル発射警戒の最中にも拘らず、
あってはならない前代未聞の事態。

どうなっているのか。

紛れもなく安倍政権の大失態だ。

これは誰の責任か。

言う迄もない。

安倍首相本人だ。

適材適所で大臣任命を行うか、
もう少し早く稲田大臣を辞任させていたら、
事態はここまで深刻になっていない。

事務方トップと陸自トップが、
大臣と刺し違える形でその辞任を迫るまで、放置した。

防衛省の内部から次々に情報がリークされるという、
ガバナンス不全の無様な醜態も、目を背けるばかり。

元防衛大臣経験者が野党に国会での追及材料として
情報を渡してい
た、とも伝えられる。

混乱の極み。

組織内部の亀裂、第一線の自衛官たちの士気の低下も避けられない。

他でもない安倍首相が、例の「身内びいき」
でこんな大臣を任命し、
辞任させるべき場面は何度もあったのに、
それを怠り続けて来た結果、
殆ど最悪の状態に陥った。

防衛省には大きな傷が残る。

「保守」を看板にしていたはずの安倍首相は、
国防という国家の重大事をどう考えているのか。