高森明勅

次の元号は「安倍の元号」?

高森明勅

2017年 12月 2日

わが国の元号は伝統的に
天皇によって定められてきた。

院政時代でも、武家権力の時代でも、
その「形式」
は尊重され続けた。

今の憲法下で初めての昭和から平成への改元も、
閣議の前に今上陛下にご報告している。

この時に陛下の“ご聴許”
戴いたと理解するのが自然だろう。

かくて「天皇の元号」
という“大化”以来の本質は守られた。

国民があまねく使う元号は、
特定の政権の元号であってはならない。

「国民統合の象徴」たる
天皇の元号であることが、最も相応しい。

ところが、毎日新聞(12月1日午後9時6分配信)
に気になる記事があった。

「政府は…(次の元号を)最終的に
首相が決定することを想定」と。

現憲法下でも、
先達が知恵を絞って守った元号の本質を、
無惨に破壊するのか。