高森明勅

米朝開戦になったら…

高森明勅

政治・経済
2018年 8月 18日

安倍首相は少し前、つまりアメリカが態度を変えるまでは、
「対話ではなく圧力を」と勇ましく訴えていた。

だが、局面は既に「戦争か、譲歩か」に移っていた。

もし米朝開戦になったら、
日本がどのような立場に立たされるか。

その点について、ちゃんと自覚はあったのか。

「朝鮮戦争は現在も『休戦状態』なので、朝鮮国連軍は健在です。
在韓米軍司令官が朝鮮国連軍司令官を兼務しています。
日本にも朝鮮国連軍の後方司令部が横田基地に置かれ、
7つの在日米軍基地が朝鮮国連軍の基地になっています。
…日本政府は、朝鮮国連軍に参加するアメリカ、英国、フランス等の12ヵ国と
『朝鮮国連軍地位協定』を
締結しています。

日本が署名した1954年以来変わっていません。

1953年に結ばれた朝鮮戦争の休戦協定の当事者は、
朝鮮国連軍(アメリカ)と朝鮮人民軍(北朝鮮)と
中国人民志願軍(中国)です。

この休戦協定が破られて再び戦争状態に入ったら、
在韓米軍も韓国軍も在日米軍も朝鮮国連軍に組み込まれて
戦うことになります。

日本は朝鮮国連軍地位協定に基づき、
朝鮮国連軍の作戦のために支援を行うことになります。

つまり、米軍開戦になったら、
日本は“自動的”に国際法上の『交戦国』になります。
日本に交戦国に“ならない”主体性はないのです」
(伊勢崎賢治氏、『立憲的改憲』より)

米朝開戦と同時に日本は「交戦国」になる。

安倍首相はその覚悟があって訴えていたのか。