高森明勅

昭和天皇から今上陛下へ

高森明勅

皇室・皇統問題
2019年 4月 21日

児童文学作家の高木敏子氏。
今上陛下の「慰霊の旅」を巡って、
以下のように述べておられる。

「中学生だった秋篠宮さまが、
両親と妹を亡くした戦争体験を綴(つづ)った
『ガラスのうさぎ』(昭和52年刊)を読んでくださり、
両陛下に勧めてくださったそうです。
それがきっかけとなり、東宮(とうぐう)御所や
皇居にお招きいただくようになりました。
…陛下からは国外を巡る『慰霊の旅』への
強い思いも伺いました。
私が『ご高齢ですから、控えられた方がいいのではないですか?』
と申し上げると、『そういうわけにはいかない』と。

実は、お父上である昭和天皇から
『自分が行けなかった海外の戦地を巡って欲しい』
と言われたことがあるそうです。
いわば“遺言(ゆいごん)”のようなもので、
だからこそ、陛下はあれだけご熱心に巡られたのだと思います」と。

勿論、陛下ご自身に深い“慰霊”のお気持ちがなければ、
様々な困難を乗り越えて行われて来た「慰霊の旅」はあり得なかった。
しかし、その背後に昭和天皇からのご附託があったのは
(ある程度、拝察は出来ても)、
確かな証言は少なかったのではないか。
大切な証言だ。