高森明勅

象徴天皇の務めが常に途切れることなく…

高森明勅

皇室・皇統問題
2019年 12月 30日

12月26日、天皇・皇后両陛下は、台風19号などの被災地をお見舞いされる為に、
宮城・福島両県をご訪問になった。
雨の中、宮城県丸森町、福島県本宮市などを自衛隊のヘリコプターで移動なさって、
訪れられた。
現地では、被災者や災害復旧に当たった関係者と直接、言葉を交わされた。
今回はご即位後、初めての被災地へのお出ましだった。

上皇陛下が「国民統合の象徴」として力を尽くされた被災地へのご訪問を、
天皇陛下もしっかりと受け継いで下さった。
当日は地元の負担を配慮されて、上皇陛下の時と同様に、日帰りなさっている。
ご自身のお疲れはいかばかりか。
有難く畏れ多い。

上皇陛下は、平成28年8月8日のビデオメッセージの締め括りの部分で、
次のようにおっしゃった。

「象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことを
ひとえに念じ、ここに私の気持ちをお話しいたしました」と。
この度の東北地方へのお出ましは、上皇陛下のご譲位によって「象徴天皇の務め」
がしっかりと令和の時代へと受け継がれたのを実感させた。
しかし、上皇陛下は「“常に”途切れることなく、“安定的”に続いていくことを…」
とおっしゃられた。

その為には、ご譲位の制度化と共に、何よりも“皇位の継承”それ自体の安定的な
継承が欠かせない。
来年はまさにその為の取り組みが最重要の国民的課題になるはずだ。
私も微力を尽くしたい。
なお、来年1月2日の新年一般参賀には上皇・上皇后両陛下のお出ましも
予定されている。
午前中の3回にお出まし下さるとか。
ご譲位後、初めて公の場で国民の前にお姿を見せて下さる事になる。
嬉しい。

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