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皇位継承問題、私の見通しが外れ少しでも良い決着を願う
高森明勅
高森明勅 私はこのところ柄にもなく、政治の具体的なスケジュールへの 見通しについて述べて来た。 皇位継承問題が今国会中に一先ず決着し、今のままなら 有識者会議報告書の提案(内親王·女王が婚姻後も 皇籍にとどまられるが配偶者やお子様は国民というプランと、 旧宮家系子孫男性が皇族との養子縁組で皇籍を取得するプラン)が ほぼそのまま制度化されるという最低·最悪の結果を迎える...
故·安倍元首相が語った「なぜ男系を維持すべきか」
高森明勅
高森明勅 故·安倍晋三元首相は生前、皇位の男系継承を 今後も維持しなければならない理由について、 以下のように語っていたという(谷口智彦氏『日本の息吹』 令和5年9月号)。 「男系染色体がね、父から息子に綿々とつづく男系染色体がね、 それ自体がね、とうとい(尊い)んじゃないんだね。 父、息子っていう流れをね、なんとしても絶やさないようにって、 昔から営々と、たくさんの...
なぜ男系か、危機にどう立ち向かうか、男系論者の主張を整理
高森明勅
高森明勅 皇位継承問題を巡って、「男系派と女系派が対立している」 という誤解があるようだ。 しかし、“女系派”というレッテルに該当する主張や勢力は、 存在しないはずだ。 皇位継承資格から男系を除外して女系だけに限定するとか、 男系よりも女系を優先させるべきだという主張は、 私が知る限りどこにも存在しないし、存在したらおかしい。 何故なら、女系容認論というのは、一夫一婦...
皇位継承問題を巡る今後の政治プロセスへの大まかな見通し
高森明勅
高森明勅 皇位継承問題の大詰めが近付いて来た。 そこで念の為に、この問題が一先ず決着するまでの、 今後の政治プロセスの全体的な見取り図を、示しておく。 現在、政府から有識者会議報告書の提案について 検討を委ねられた国会の各政党·会派での意見集約が、 ほぼ終わろうとしている。 自民党を含む各政党·会派の意見集約が終わると、 →立法府の総意形成を目指す与野党協議が始まる。...
敬宮殿下の皇室論=「困難な道を歩む国民に心を寄せる」
高森明勅
高森明勅   4月2日、宮内庁は敬宮殿下の日本赤十字社ご就職に際して 宮内記者会の質問への文書回答を公表。 そこには敬宮殿下ご自身の「皇室」観が率直に 表明されている。以下の通り。 「私は、天皇皇后両陛下や上皇上皇后両陛下を始め、 皇室の皆様が、国民に寄り添われながら御公務に 取り組んでいらっしゃるお姿をこれまでおそばで拝見しながら、 皇室の役目の基本は『国...
旧秩父宮家などへ養子縁組という産経新聞のスクープは誤報?
高森明勅
高森明勅 先頃、産経新聞が皇位継承問題に関連して 他のメディアでは報じていない内容を、2度にわたって報道した。 自民党の懇談会で、旧宮家系子孫男性が旧秩父宮家など 既に廃絶した宮家を養子縁組によって継承するという、 常軌を逸した案が検討される、と (3月16日付·24日付、内藤慎二記者ほかの署名記事)。 これが事実なら、中身の奇妙キテレツさはともかく、 産経新聞の“ス...
皇籍取得、婚姻による場合と養子縁組による場合の違い
高森明勅
高森明勅 今更ながらごく初歩的な整理を。 これまで行われて来た「婚姻」による皇籍取得が 合憲なのに、政府が提案したいわゆる旧宮家系子孫男性に 限定した「養子縁組」による皇籍取得プランが違憲 とされる理由を、いまだに理解できない向きもあるようなので。 先ず前提として、皇室の方々は“国民平等”原則の 例外枠であることが、憲法そのもの(第1章)によって 規定されている。 そ...
敬宮殿下、皇室のご公務と日赤の仕事の両立という「無私」
高森明勅
高森明勅 天皇·皇后両陛下のご長女、敬宮殿下は この4月から人生の新しい歩みに踏み出される。 これまでの学生から、日本赤十字社の常勤の嘱託職員 というお立場に、お移りになった。 「嘱託」という勤務形態は、成年皇族としての ご公務を重視されている為だ。 一方で「常勤」なのは、日本赤十字社の仕事にも 全力を尽くされることを意味する。 これについては、大学のご卒業に際しての...
皇位継承問題、民意と永田町の空気感の隔絶の背景とは何か?
高森明勅
高森明勅 敬宮殿下におかれては、この度、初めての 単独のご公務として伊勢の神宮と神武天皇陵へのご参拝を行われた。 お迎えした現地の人々の歓迎ぶりを見ると、 あたかも「皇太子」をお迎えしたかのようだった。 人々にお応えになる殿下のご態度も、高貴かつ 優美でいらっしゃりながら、親しみに溢れておられた。 しかし目を永田町に向けると、残念ながらそこには 寒々しい光景しか見えて...
皇位継承問題のスケジュール感、6月決着の可能性が高い
高森明勅
高森明勅 3月22日、天皇·皇后両陛下におかれては、能登半島地震の 被災者を見舞われる為に、石川県を訪れられた。 両陛下をお迎えした現地の人々の声をテレビニュースなどで 聴くと、改めて皇室の有り難さを実感する。 又同26日から27日にかけて、敬宮殿下は伊勢の神宮と 橿原市にある畝傍山東北陵(神武天皇陵)を参拝された。 特に、皇女として天照大神にお仕えした「斎王」の歴史...
皇位継承問題、自民党と産経新聞の迷走が止まらない!
高森明勅
高森明勅 産経新聞(3月24日付)に「皇位継承議論 進展へ道筋」 という記事が載った(内藤慎二記者ほかの署名記事)。 自民党の次回懇談会の検討内容についての見通しを書いている。 「旧宮家に連なる人々が女性皇族との結婚や養子入りを通じて、 旧秩父宮家、旧高松宮家、旧桂宮家を継ぐケースなどを 想定しているとみられる。 自民党幹部は『新たに宮家を設けることにはならないので ...
皇位継承問題を巡る自民党懇談会、産経新聞「誤報」の謎
高森明勅
高森明勅 産経新聞が不思議な記事を載せた。 3月16日付の「皇位継承の議論 動く」という記事だ。 そこでは、3月18日に開催される自民党の皇位継承問題を 巡る懇談会で話し合われる内容を、予想していた。 「自民は男系男子の復帰(正しくは皇籍取得ー引用者)案を より重視しており、旧皇族に連なる人々が女性皇族と結婚したり、 養子として旧秩父宮家や旧高松宮家、旧桂宮家を継いだ...
自民党「保守派」も女性天皇、女性宮家を認めている!
高森明勅
高森明勅 皇位継承問題を巡り初歩的な事実を確認しておきたい。 それは自民党内のいわゆる“保守派”でさえも女性宮家、 女性天皇を可能にする制度改正には同意しているという事実だ。 例えば自民党の前政調会長で故·安倍晋三氏の側近中の 側近と言われていた萩生田光一議員は次のような発言をしている。 「天皇は男系男子が基本だと思いますが、現実問題として、 それでは将来的にどんどん...
旧宮家プランに立ち塞がる「養親」はどなたかという厚い壁
高森明勅
高森明勅 旧宮家系男性子孫の養子縁組プランに不可欠な 皇室側で受け入れられる「養親」の存在だ。 しかし、具体的に候補になり得るのは常陸宮殿下ただ お一方だけの可能性が高い(2月7日公開拙ブログ 「旧宮家系国民男性養子縁組案で『養親』になり得るのは?」参照)。 しかし仄聞するところ、常陸宮殿下ご本人のお考えは 上皇陛下と一心同体とされ、旧宮家を皇室に受け入れる なんてと...
「なぜ性別はあるのか?」その生物学的な回答が興味深い
高森明勅
高森明勅   『文藝春秋』3月号に、進化生物学者で 総合研究大学院大学の学長だった長谷川眞理子氏の 興味深い記事が載っている。 同氏はそこで、「なぜ性別があるのか?」オス·メスの 性別が生まれた理由を明快に述べておられる。 「そもそもなぜ『性』はあるのか。 多くの人は、『繁殖のため』と思われるでしょう。 しかし『性』を介在させずに『繁殖』する生物も 数多くい...
衆院4月解散説、女性天皇·女性宮家へ直接アプローチの機会
高森明勅
高森明勅 4月28日に投開票が予定されている衆院3選挙区での補欠選挙。 岸田文雄首相がこれに合わせて衆院解散·総選挙に 打って出る可能性が語られている。 3選挙区での結果を思わしくない場合、9月の自民党総裁選への 致命的なマイナス要因になりかねない。 そこで駄目駄目バラバラな野党の足元を見て、総選挙をぶつけて 大敗を免れれば、総裁続投に繋げられるという動機が 考えられ...
皇祖神がイザナキのミコトならば皇室はなぜ手厚く祀らない?
高森明勅
高森明勅 男系に固執する論者たちの言動がどんどん皇室に対する 非礼·不敬に傾いているのは何故か。 例えば、皇室の祖先神が天照大神であるという古代以来揺るぎのない 信仰上の事実すら、懸命に否定しようとする。 皇室の伝統は男系と言いたくても皇祖神が女性(!)では ツジツマが合わない。 さすがに、その程度の自覚はあるようだ。 そこで、天照大神が女性神であることを否定しようと...
「なぜ男系か」どうしても理由を説明できない男系論者
高森明勅
高森明勅 皇位継承資格を男系男子に限定すべきだと主張する 人らにとって最大の難問は、情けないことに 「なぜそもそも、皇位の男系継承を守らねばならないのか」 という一番“手前”の問いらしい。 これについては、私のブログ「男系男子限定の理由は『どうでもよい』 『説明出来ない』?」(令和5年8月17日公開)を参照。 最近も、先のような問いを自ら設けて迷走するしかなかった、 ...
女性天皇·女系天皇とジェンダー平等をわざと結び付ける悪意
高森明勅
高森明勅 ジェンダー平等の理念をそのまま皇室に当てはめて、 それを根拠に女性天皇·女系天皇を唱えていると仮定して、 それをやり玉に挙げる言説があるようだ (例えば『SPA!』2月27日号)。 白昼夢でも見ているのだろうか。 ジェンダー平等自体は勿論、大切な理念だ。 しかし、女性天皇·女系天皇を認める必要は元々 別の理由·根拠から唱えられて来た。 これは、このテーマに関...
憲法よりも皇室の歴史と伝統を優先 せよという意見の頓珍漢さ
高森明勅
高森明勅 先日、ある国会議員の集まりに顔を出して、少し驚いた。 女性天皇に二の足を踏む議員からこんな趣旨の意見が 飛び出したからだ。 「憲法に杓子定規にこだわるよりも皇室の歴史と 伝統を重んじるべきだ」と。 これは恐らく“門地による差別”を禁止した憲法の規定を 目のかたきにした発言だろう。 しかし、憲法を重んじること自体が皇室の大切な伝統である事実は ご存じないらしい...