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天皇陛下「いっそこのまま時間が止まってくれたら」
高森明勅
私の手元に天皇陛下のご著書 『テムズとともに 英国の二年間』が2冊ある。 1冊は、平成5年に学習院教養新書として刊行されたもので、 「創立125周年記念」という文字も印刷されている。 発行元は学習院総務部広報課。 もう1冊は、前者の新装復刊で、令和5年に 紀伊國屋書店から刊行された。 「学習院創立150周年記念」と印刷されている。 著者名はどちらも「徳仁親王...
皇族でも国民でもない「準皇族」は憲法が禁止する貴族
高森明勅
時事通信が以下のニュースを報じた(6月19日)。 「国民民主党の玉木雄一郎代表は19日、 衆参両院議長と参院議長公邸で面会し、 皇位の安定継承に関する意見聴取を受けた。 女性皇族が結婚後も皇室に残る場合、 夫や子どもに『準皇族』という新たな身分を 設ける案を示した」 この記事に「皇位の安定継承」とあるのは、 実態として正確には「皇族数の確保」だろう。 それは...
家族でも身分が違う近代以降前代未聞の家庭を生み出すのか?
高森明勅
国内において、皇室の方々と国民という、身分の違いがある。 これは、憲法が世襲の象徴天皇という制度を 要請したことの、必然的な帰結だ。 近代以降、家族は同じ身分であることを原則とする。 その為に、皇族と国民との婚姻において、身分が変更される。 前近代では内親王女王が皇族以外の男性と婚姻しても 皇族のままであり、皇族以外の女性が皇族と婚姻しても 皇族になることは...
皇位継承問題、最悪決着を押し戻す貴重なチャンスを活かそう
高森明勅
額賀福志郎衆院議長が前のめりになっていた 全政党·会派による全体会議が一先ず頓挫した。 その結果、今国会において有識者会議報告書の提案を そのまま丸呑みするという、最低最悪のシナリオから 何とか脱することが出来た。 しかし勿論、次の国会で同じ結論に陥る虞れは 無くなっていない。 しかし一先ず、世論喚起·政界対策などに 力を尽くせる時間が僅かでも与えられること...
皇太子と傍系の皇嗣は具体的にこれだけ違う!
高森明勅
秋篠宮殿下は現在、「皇嗣」でいらっしゃる。 但し同じ皇嗣でも「直系」の皇嗣(皇太子皇太孫·)と 「傍系」の皇嗣では、明確な違いがある。 以下、簡単に列挙しよう。 ①皇太子は次の天皇として即位されることが確定したお立場。 これに対して、傍系の皇嗣はその時点で皇位継承順位が 第1位であるお立場に過ぎない。 実際、過去に傍系の皇嗣(秩父宮)が皇太子(上皇陛下)の ...
臣下の皇籍取得の先例とされる「源忠房」は皇族として出生
高森明勅
旧宮家系子孫男性が養子縁組によって 新しく皇籍取得するプランは事実上、これまでの 皇統を断絶させ、旧宮家系(賀陽家·久邇家·東久邇家·竹田家) という“国民の血筋”に取って替わらせる暴挙だ。 しかし、臣下から皇籍取得した“先例”があるとして 取り上げられるのが、中世の人物、源忠房。 しかし、忠房は第84代·順徳天皇の曾孫(3世の子孫)に当たり、 しかも元々“...
令和における「皇太子」不在は皇室の方々の護衛体制にも反映
高森明勅
日本会議の機関誌『日本の息吹』(6·7月合併号) 巻頭に掲載された「今月の言葉」に、一般にほ とんど見落とされている事実が取り上げられていたので、 ここに紹介したい(執筆者は高清水有子氏)。 それは、平成から令和への御代替わりに伴って、 皇室の護衛体制に変化があった事実だ。 皇宮警察本部には直接、皇室の方々の護衛に当たる、護衛部がある。 平成時代には、その護...
皇位の安定継承へ7月27日のイベントが後押しする可能性も
高森明勅
漫画家の小林よしのり氏が長年、開催されて来た ゴー宣DOJO(先頃「道場」から表記変更)。 来る7月27日に都内の普段より少し広めの会場で、 安定的な皇位継承への気運を盛り上げることなどを 目的として開かれる。 これがうってつけのタイミングになるかも知れない。 と言うのは、6月23日まで開催予定の今国会中に 皇位継承問題が残念な決着を迎えそうな形勢だったのが...
亡き母の故郷、倉敷市真備町に天皇·皇后両陛下の行幸啓を仰ぐ
高森明勅
5月25·26両日、天皇·皇后両陛下におかれては、 わが郷里、岡山県を訪れられた。 昭和の2大行幸啓から平成の3大行幸啓、 更に令和の4大行幸啓へと増えて来た、両陛下お揃いでの 恒例の地方ご訪問の1つ、「全国植樹祭」へのご臨席の為だ。 改めて言う迄もなく、全国植樹祭は昭和時代から行われて来ている。 ちなみに、もう一つ昭和時代から行われて来た 国民体育大会は、...
皇位継承問題で強引な各党協議が躓き、ここからが正念場!
高森明勅
毎週1回のペースで開催されるはずだった“目先だけ”の 皇族数減少抑止策を巡る各党協議=全体会議。 しかし、第2回目迄で早くも躓いた。 今後は、衆参正副議長が個別に各党派の意見を聴いた上で、 必要に応じて全体会議を開く方式に、大きく転換した。 これは、当初の拙速·乱暴な進め方を見直したことを意味する。 よって、一先ず歓迎したい。 全体会議と言っても、13の政党...
天皇の国事行為の代行者の配偶者やお子様が一般国民?
高森明勅
内親王·女王は、天皇の国事行為を全面的に代行する 摂政への就任や、一時的な代行を委任される可能性がある (皇室典範第17条、「国事行為の臨時代行に関する法律」第2条)。 今後、皇室の高齢化や皇族数の減少が進めば、 その可能性はより高まるはずだ。 ところが、政府が提案したプランでは、その「天皇の代行者」 になられる可能性がある内親王·女王の配偶者やお子様を、 ...
「国民統合の象徴」を巡る国会協議なら国民の声を聴け!
高森明勅
衆院議長公邸での定期開催が予定されている、 “目先だけ”の皇族数減少抑止策を巡る各党の協議=全体会議。 驚いたことに結論が出る迄は議事録を一切公開しない方針だと言う。 例によって「静謐な環境を保つ為」とか理由付けるつもりだろう。 しかし、それではまさに“密室”そのもの。 国民の心からの訴えを、あたかも“雑音”であるかのように扱うのか。 国民を侮辱するにも程が...
いよいよ目先だけの皇族数減少抑止策を巡る各党協議スタート
高森明勅
5月17日、衆院議長公邸で“目先だけ”の皇族数減少抑止策を巡る 各党協議=全体会議が開始された。 皇位継承問題も差し当たり大詰めの局面に入ったことになる。 安定的な皇位継承を目指すはずだったのに、 問題の焦点が平然とすり替えられてしまった。 しかし、政治の場での取り組みは一先ず最終決戦を迎えた。 その最前線は全体会議の場そのものだ。 幸い、各党·会派からの出...
歴史上、養子縁組で新しく皇族の身分を取得した例は無かった
高森明勅
政府が提案し、国会で各党の協議の対象とされる 旧宮家系子孫男性の養子縁組プラン。 しかし歴史上、皇籍にない者が養子縁組によって 新しく皇籍を取得した事例は、これまで無かったことが 知られている。 「皇族と臣家との養子関係の実例を見ると、 皇族が臣家の継嗣となったときは養家の姓を称するが、 逆に臣家の子女が皇族の養子ないし猶子となった場合は、 それに依って皇族...
羽毛田元宮内庁長官が「女系天皇」の可能性を訴えた背景とは
高森明勅
「毎日新聞」3月15日18時30分配信記事で、 羽毛田信吾·元宮内庁長官が福岡市で皇位継承問題についての 講演(「毎日·世論フォーラム」毎日新聞社主催)を 行ったことを報じていた。 羽毛田氏は講演の中で、「『(皇室制度の)改正に向かって 具体的な動きを起こすことは待ったなしだ』と強い危機感を示し」 「『皇室に女性がいなくなれば、女系に広げる 選択肢はそもそも...
天照大神は「女性」皇祖神、高皇産霊尊は「女系」皇祖神
高森明勅
先頃、「男系による皇位継承の真の意義」 という文章を見かけた(産経新聞5月6日付、新田均氏)。 シンプルにまとめるとー ①「祖先神を祀る祭り主の地位」は「男系によって受け継がれる」。 ②なので「たとえ、天皇が祈っても男系で繋がっていなければ通じない」。 ③だから「天皇の地位の最終的根拠は男系にある」 ーというお話。 ところが、一方で「これは(=上記①②のよ...
将来、もし宮内庁HPの天皇系図に旧宮家系天皇が加わったら
高森明勅
宮内庁のホームページに「天皇系図」が掲げられている。 男系主義系図なので、欽明天皇の場合は手白香皇女でなく、 継体天皇と系線で繋がれている。 その継体天皇と応神天皇との間に4世の隔たりがあり、 『上宮記』(『釈日本紀』に引用された逸文)による人物名が 代々にわたり列挙されている。 過去の天皇との男系の血縁が最も遠い事実が、端的に示されている。 ...
養子縁組で皇族になった旧宮家子孫男性の妻子は皇族か国民か
高森明勅
これから始まる国会協議では、残念ながら 有識者会議の提案を土台にすることになる。 しかし同提案は、単に安定的な皇位継承という 本来の課題に対して「白紙回答」というだけでなく、 目先だけの皇族数の確保策としても「空欄」が目立つ。 例えば、養子縁組で皇族になった 旧宮家子孫男性の妻子は、皇族か国民か。 先ず、養子本人は皇族になっても皇位継承資格を持たないプランだ...
天皇·皇后両陛下、敬宮殿下「国民の中に入って行く皇室」
高森明勅
天皇·皇后両陛下には、能登半島地震の 被災地を2度にわたり、続けてお見舞い下さった (3月22日、4月12日)。 これは異例のなさりようだ。 被災した人達に、いかに深く御心をお寄せ下さっているかが、 拝察できる。 これにより、被災した主な地域は全て訪れて 下さったことになる(石川県輪島市·珠州市·穴水町·能登町)。 被災者を直接お見舞いなさる際は、両陛下とも...
皇位継承問題のステージは立法府の総意を目指す国会協議へ
高森明勅
皇位継承問題への政府·国会の取り組みは結局、 「皇位継承」という本来のテーマには当面、手をつけない(!) 方向がほぼ固まった。 これまで進められて来た各党での党内意見の集約の結果、 政府が国会に検討を委ねた「白紙回答」でしかない(!) 有識者会議報告書プランを、立憲民主党と共産党を除き 殆どそのまま追認するという、残念な結果だ。 今後は衆参正副議長の呼びかけ...