- 新しい順
- 古い順
- タイル表示
- リスト表示
性別を超越される「天皇」
高森明勅
これまでの最後の女性天皇は江戸時代の後桜町天皇(117代)。 明和元年(1764年)に大嘗祭を執り行っておられる。 明和の大嘗祭については、同天皇ご直筆の『後桜町天皇シン(ウ冠+辰)記』 (京都御所東山御文庫)やご装束の調進に携わった山科(やましな)家当主の 『頼言卿記(よりとききょうき)』(自筆原本、国立公文書館内閣文庫)など、 当事者によるその時の記録(...
「神武天皇のY染色体」という妄想
高森明勅
皇統問題を巡って、時に奇妙な“雑音”も混ざる。 それらにまで一々丁寧にかまってはいられない。 そうした雑音の1つが「神武天皇のY染色体」論。 その染色体を受け継ぐ事こそが皇位継承の正統性の証(あかし)だ、と。 安倍首相のブレーンと称する八木秀次氏あたりが発信源で、 ご本人は「合理的」な説明と得意げだった。 かなり前に、あるノンポリ編集者が「素朴な疑問なんです...
「双系(双方)制」を巡る研究状況
高森明勅
以前、「双系(双方)」という概念自体を知らないで、 皇統問題について声高に発言している人物がいて、少し驚いた。 皇統問題を巡る議論にこの概念を持ち込んだのは、恐らく私が初めてだろう。 しかし、学界ではかねてよく知られた概念だ。 「双系(双方)制」を巡る研究状況については、以下のような整理がある。 「古代史学界では、すでに…高森氏の問題提起の数年前から、 成清...
自民党、呆れた危機感の無さ
高森明勅
皇室典範特例法の附帯決議(平成29年6月)には以下のようにあった。 「安定的な皇位継承を確保するための諸課題…について、皇族方の御年齢からしても 先延ばしできない重要な課題である…」と。 安倍内閣も、これまでの国会答弁で(少なくとも建前上は)同様の認識を 共有していることを、繰り返し強調して来た。 ところが自民党の危機感の無さは驚き。 同党の岸田文雄政調会長...
上皇后陛下の白内障ご手術
高森明勅
上皇后陛下には、6月16日及び23日の両日、白内障のご手術をお受けになる。 既に数年前から物が見えにくいご症状がおありで、医師から白内障と診断されており、 特に一昨年辺りからはご手術が必要なほどご症状が進んでいた。 しかし、両方の眼の手術をされると、3週間ほどご公務を離れなくてはならなくなる。 その為、上皇陛下のご譲位後まで、延期されていたのが実情。 最後の...
立憲民主党の「論点整理」
高森明勅
6月11日、立憲民主党は昨年7月から続けて来た「安定的な皇位継承を考える会」 での討議(幹事会14回、全議員会合7回)を踏まえて、 「象徴天皇制の未来のために―安定的な皇位継承を確保するための論点整理」 を発表した同「論点整理」の特徴をいくつか指摘しておく。 その1。 同党が実施した専門家へのヒアリングのみならず、これまでの内閣での議論の積み重ね (具体的に...
ご譲位に伴う儀式に区切り
高森明勅
6月12日、上皇・上皇后両陛下には、京都の孝明天皇陵・明治天皇陵にご拝礼。 これによって、ご譲位に伴う一連の儀式を全て滞りなく終えられた。 上皇陛下はご即位に当たり、初代の神武天皇及び前4代(孝明・明治・大正・昭和)の天皇陵に親謁されていた。 それに対応して、ご譲位に際しても、上記5代の天皇陵にご拝礼を遂げられたのだ (孝明天皇陵・明治天皇陵以外は既にご拝礼...
大嘗宮の造営費用、6億円近くも低減
高森明勅
天皇のご一代に一度限りの大嘗祭(だいじょうさい)。 この大祭の為に、特別に造営されるのが大嘗宮(だいじょうきゅう)。 宮内庁はその経費を少しでも削減する為に、最も中心となる建物 「悠紀殿(ゆきでん)」「主基殿(すきでん)」及び重要な付属施設である 「廻立殿(かいりゅうでん)」の屋根の葺(ふ)き方を、前例の「萱葺(かやぶき)」 から変更して「板葺(いたぶき)」...
男系主義という「からごころ(漢意)」
高森明勅
江戸時代の国学者、本居宣長。 日本古来の考え方を「やまとごころ(大和心)」、 シナ伝来の考え方を「からごころ(漢意)」と呼んで、 両者の対立を想定した。 “からごころ”を去って、“やまとごころ”に帰れ、と。 これを「血統」観に当てはめるとどうなるか。 男系主義が“からごころ”で、双系(双方)主義が“やまとごころ”。 そう整理できるだろう。 これは様々な観点か...
皇室の「男系」の血筋を引く国民
高森明勅
国民の中には、皇室の「男系」の血筋を引く人々が、実は一杯いる。 平清盛の子孫も、源頼朝の子孫も、足利尊氏の子孫も、 皆さん、皇室の血筋に繋がる。 改めて言う迄もなく、清盛は桓武天皇、頼朝は清和天皇、尊氏も 同天皇の血筋を、それぞれ引くからだ。 例えば『古事記』を覗く。 すると、201の氏族が登場する中、実に175の氏族は皇室の血筋を引くとされている。 あるい...
皇室「自然消滅」の危機
高森明勅
今の皇室の姿。 直視すれば実に危うい。 先ず、天皇陛下の次の「世代」の皇位継承資格者は、改めて言う迄もないが、 秋篠宮家の悠仁親王殿下ただお1人だけ。 今の制度のままなら、やがて宮家ゼロの極小の皇室になる。 それが分かり切っている場合、悠仁殿下のご結婚のハードルは極めて高くなる。 最悪、悠仁殿下がご結婚できなければ、そこで皇室は行き詰まる。 その可能性も残念...
「男系」論者の「女系」容認
高森明勅
「男系」論を代表する百地章氏と八木秀次氏。 お2人とも次のような発言をされている。 「万一の場合には、皇統を守るために、女帝さらには女系の選択ということもあり得る」 (百地氏『憲法の常識、常識の憲法』) 「正直に言えば私とて、女性天皇に絶対反対というわけではない。 …万策尽きた場合には女性天皇も女系天皇もやむを得ない」 (八木氏『本当に女帝を認めてもいいのか...
憲法「世襲」を巡る政府見解
高森明勅
憲法は皇位の「世襲」継承を規定している(2条)。 それを前提に、憲法より“下位”の法律である皇室典範に、 皇位の継承資格を「男系の男子」と限定している(1条)。 これについて政府の見解はどうか。 「男系の男子ということは(憲法)第2条には限定してありませぬ。 …時代時代の研究に応じてあるいは部分的に異なり得る場面があってもいい …そういう余地があり得る」 (...
憲法の皇位「世襲」とは?
高森明勅
憲法は皇位の「世襲」継承を規定している(2条)。 それを前提に、憲法より“下位”の法律である皇室典範に、 皇位の継承資格を「男系の男子」と限定している(1条)。 だから、素直に理解すれば、“世襲”原則は憲法を改正しない限り変更できない一方、 “男系の男子”という縛りは典範の改正だけで対応可能だ。学説ではどうか。 手元の関係書籍を覗いてみる。 「男系の男子に限...
歓迎式典、宮中晩餐会
高森明勅
アメリカのトランプ大統領夫妻が国賓として来日した際。 皇居の宮殿で出迎えられたのは勿論、天皇皇后両陛下。 その後、歓迎式典と宮中晩餐会。更に最後のお見送り。 全て天皇陛下が中心。 日本国における天皇という地位の位置付けが 改めて浮き彫りになった。 国賓への正式な接遇の場面では、 首相は完全な脇役に過ぎない。 首相らを「任命する」お立場の天皇こそ、 わが国にお...