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真の「皇室の伝統」とは何か、それを守り継承する方途は?
高森明勅
女性天皇、女系天皇が即位したら「皇室の伝統」が 崩壊するという意見がある。 そうした考え方を真正面から否定されたのは、 他ならぬ上皇陛下ご自身だった。 小泉純一郎内閣の時に設けられた 「皇室典範に関する有識者会議」の報告書では、 「皇位の安定的な継承を維持するためには、 女性天皇、女系天皇への途を開くことが不可欠」 との結論を示した。 その報告書が提出された...
敬宮殿下のお誕生日をお祝い申し上げる
高森明勅
12月1日は天皇皇后両陛下のご長女、敬 宮殿下の23歳のお誕生日。 心からお祝い申し上げ、ご健勝とご多祥を祈り上げる。 この日、テレビ局から番組へのビデオ出演を依頼されていた。 番組担当者が拙著『愛子さま 女性天皇への道』 (講談社ビーシー/講談社)を読んで、 インタビュー取材を望んだようだ。 版元にも拙著の書影など関係資料を求めていた。 ところが何か事件が...
拙著タイトル『愛子さま 女性天皇への道』11月28日発売予定
高森明勅
先日、拙著のカバー見本が届いた。 タイトルは『愛子さま 女性天皇への道』。 表紙は畏れ多いが、敬宮殿下が笑顔で お手を振られるお写真が掲げてある。 オビには「国民の9割が認める『女性天皇』 愛子さまが天皇になるべき『5つの理由』は ここまで現実的!」という文句が入っている。 章立ては次の通り。 ○プロローグ「国民の9割が『女性天皇』認めているのに、 政府はな...
昭和天皇と原爆③日本は原爆を持たないでいいのか
高森明勅
昭和50年10月31日、昭和天皇は記者会見で 原爆投下について次のように述べられた。 「原子爆弾が投下されたことに対しては 遺憾には思っていますが、こういう戦争中で あることですから、どうも、広島市民に対しては 気の毒であるが、やむを得ないことと思っています」 (高橋紘氏『陛下、お尋ね申し上げます』) 天皇というお立場による制約と、 日米関係へのご配慮の中で...
昭和天皇と原爆②よくこれまでに復興したものである
高森明勅
昭和24年5月27日、昭和天皇は全国巡幸の一環として 長崎を訪れられた(鈴木正男氏『昭和天皇の御巡幸』)。 原爆で妻を喪い、自分も被爆による重症を顧みず、 懸命に被爆者の治療を続けて遂に斃れ、 死の床にあった永井隆博士を、長崎医科大学付属病院に お見舞いにて親しくなられた。 カトリック信者だった永井博士は、 この日のことを和歌に詠んだ。 天皇は 神にまさねば...
昭和天皇と原爆①敵ハ新ニ残虐ナル爆弾ヲ使用シテ…
高森明勅
人類史上、初めて投下された原爆に対して、 誰よりも早く、公式な形で糾弾の声を 挙げられたのは、昭和天皇だった。 昭和20年8月14日に下された 「終戦の詔書」の中に、次の一節がある。 「敵ハ新(あらた)ニ残虐ナル爆弾ヲ使用シテ 頻(しきり)ニ無辜(むこ)を殺傷シ惨害ノ 及フ(ぶ)所真ニ測ルヘ(べ)カラサ(ざ)ルニ至ル」 これが、原爆投下に対する満腔の怒りを ...
秋の園遊会、国連女性差別撤廃委員会の勧告、皇居勤労奉仕
高森明勅
①10月30日、赤坂御用地内の赤坂御苑で天皇、 皇后両陛下が主催された秋の園遊会が開かれた。 幸い天候にも恵まれ、両陛下をはじめ皇室の方々に おかれては、招かれた各界の人々とにこやかに 懇談のひと時を過ごされた。 パリオリンピックのスケードボード競技で 金メダルを獲得した吉沢恋選手、堀米雄斗選手らとの 話の中では、皇后陛下ご自身もスケードボードを 経験されて...
衆院選挙の結果は皇位継承問題の今後にどう関わるか
高森明勅
今回の衆院選挙では自民党が予想以上の敗北となった。 例えば、ベテランの選挙プランナーで選挙予測に 定評がある三浦博史氏は、自民党が235議席を 獲得すると見ていた(『サンデー毎日』11月3日号)。 しかし全く外れた。 これまでは投票率が下がれば組織票を持つ 自民党に有利と言われて来たが、 今回は投票率が低かったにも拘らず、惨敗を喫した。 有権者の自民党への不...
衆院選挙、何人かの気になる候補者についてのメモ
高森明勅
今回の選挙で気になっている候補者が何人かいる。 立憲民主党の野田佳彦代表(千葉14区)は 絶対優勢なので、心配することは何もない。 但し、今回の選挙で立憲民主党が どれだけ勝てるかによって、今後、国会での 野田代表の発言力も変わってくるはずなので、 党全体としての躍進が大事になる (実は立憲民主党にも何人か落選させたい 候補者もいるのだが)。 馬淵澄夫候補(...
総選挙に突入、皇位継承問題の決着を控えアプローチ機会拡大
高森明勅
総選挙に突入。 今回の選挙は、裏金問題などで 自民党への不信感が高まり、支持率の下落を 食い止める為に総裁の交代を余儀なくされた上で、 臨むことになった。 だから元々、自民党には逆風が吹いている。 議席を減らすことは避けられず、 それをどこまで浅い傷で食い止められるかが、 自民党にとって最大の関心事だろう。 この選挙できちんとした結果が出せなければ、 石破政...
「天皇陛下万歳」の起こりは明治22年2月11日という証言
高森明勅
私は昭和時代から、毎年1月2日と 天皇誕生日に行われる皇居一般参賀に、加わって来た。 昭和から平成への御代替わりがあって、暫く参賀での 「天皇陛下万歳」の声が少なくなっていた。 参賀者も世代の交代が進むと、万歳を三唱する 習慣を持たない人達が多くなり、ひょっとするといずれ 殆ど誰も唱えなくなってしまうかも知れない… などと勝手に想像していた。 ところが、ネッ...
天皇陛下から首相に任命される前に解散宣言の違憲疑惑
高森明勅
石破茂首相が天皇陛下から首相に任命される前の 9月30日の記者会見で自民党総裁として事実上、 衆議院の解散を宣言した。 これに対して立憲民主党の野田佳彦代表が早速、 憲法違反の疑いを唱えた。 これをどう捉えるか。 そもそも憲法第69条(衆議院で内閣を信任しない決議が 可決された場合、衆議院を解散しない限り内閣は 総辞職しなければならない)以外のケースで、 第...
立民の野田代表が女性皇族の配偶者やお子様にも皇籍を主張
高森明勅
NHKNEWSが10月1日に 「立民 野田代表“女性皇族に加えて 配偶者や子どもに皇族身分を”」という記事を配信した。 これは1日夜、立憲民主党のインターネット番組 「立憲ライブ」で、辻元清美代表代行と 対談した時の発言だ。 野田佳彦代表の発言が以下のように紹介された。 「女性皇族が結婚後も皇族にとどまれるようにする やり方が大事だが、その配偶者やお子さんが...
政治の新しい局面を迎え、首の皮一枚で繋がった皇位継承問題
高森明勅
9月27日の自民党総裁選で石破茂衆院議員が総裁に選ばれた。 石破氏について、翌日の朝日新聞と産経新聞が足並みを揃えて 「女系天皇に理解を示す石破氏」(朝日)、 「前例のない『女系天皇』を排除しない考えを示した」(産経) と報じていた。 これらは恐らく、候補者同士の討論の中で小林鷹之候補から 「女系天皇を否定しないのか」と迫られたのに対して、 「大事なのはいか...
女性宮家を巡る三笠宮家の彬子女王、瑶子女王のお気持ち
高森明勅
些か前のインタビューながら、 三笠宮家の彬子女王·瑶子女王両殿下に、 ご婚姻後も皇室にとどまるプランについて 質問したインタビュー記事がある (『文藝春秋』平成21年12月号。聞き手は高清水有子氏) 先ず彬子女王殿下。 「(皇室典範の)改正次第で(婚姻後も皇室に) 残ることになるかもしれないと言われたときは、 やはり自分の中で戸惑いがありました。 私に選択権...
元最高裁判事で皇室法研究の第一人者、園部逸夫氏の死を悼む
高森明勅
去る9月13日、元最高裁判事で「皇室典範に関する有識者会議」 の座長代理などを務められた園部逸夫氏が、95歳で亡くなられた。 皇室法研究の第一人者で、最後まで皇室の将来を憂えておられた。 小泉純一郎内閣に設けられた「皇室典範に関する有識者会議」 の座長代理で、事実上の中心人物だった。 同会議の報告書は、皇位継承問題に対するほぼ完璧な解答であり、 今もこれを越...
自民党総裁選「男系継承」を維持できる具体策を示して欲しい
高森明勅
9月13日に自民党総裁選の立候補者の共同記者会見が行われた。 皇位継承問題を巡るそれぞれの見解も、安全運転ながら示された。 明治以来の「男系男子」尊重でほぼ足並みを揃えていたようだ。 しかし、一夫一婦制で少子化という条件下にあって、 皇位継承資格の「男系男子」限定を維持しながら、 どうやって安定的な皇位の継承と皇室の存続を可能にするのか。 その具体策を語って...
憲法の世襲は男系を限定的に意味するという独自解釈への疑問
高森明勅
拙稿が掲載された「歴史人」10月号が 編集部から送られて来た。 「天皇と皇室の日本史」をテーマにした特集で なかなか充実している。 編集部がつけた拙稿のタイトルは 「皇位継承の秘史 古代から江戸時代まで」。 別に「秘史」でもないと思うが、 それは編集部権限なので言わないことにしよう。 又、京都産業大学准教授·久禮旦雄氏の記事 「天皇と皇室の基礎知識Q&...
秋篠宮妃紀子殿下のお誕生日に際しての文書回答を拝読して…
高森明勅
9月11日は秋篠宮妃紀子殿下の58歳のお誕生日。 心からお祝い申し上げると共に、 お心穏やかな日々を祈り上げる。 この日、恒例により宮内記者会からの 質問への文書によるご回答が公表された。 その最後に「海外で暮らす眞子について」 という項目がある。 拝読して胸を締め付けられた。 国民として慚愧に堪えない。 【高森明勅公式サイト】 https://www.a-...
皇位継承問題、小泉進次郎氏の質問回答は未整理か深謀遠慮か
高森明勅
9月6日に小泉進次郎衆院議員が自民党総裁選への 立候補を表明する記者会見を行った。 その質疑応答の時間に、産経新聞の記者から 皇位継承問題への考え方について質問された。 これに対して、一見、模範解答で安全運転以外の 何ものでもないような回答があった。 総裁選を控えてどの候補者も、 少しでも不利になりそうな発言は、固く封印する判断に 傾いているように見える。 ...