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宮中正月行事の1つ「講書始」の講義原稿は1年以上前に完成
高森明勅
今年の1月10日に皇居·宮殿「松の間」で行われた 「講書始の儀」は、例年にも増して注目を集めた。 日本古代史と衣服史がご専門で大阪大学名誉教授の 武田佐知子氏が、次代の天皇としての期待感が高まっている 敬宮殿下もお出まし席で、歴史上の「女性天皇」 についてご進講されたからだ。 その武田氏がご進講を務めた自らの体験をもとに、 講書始の儀の準備の内幕について手記...
皇居勤労奉仕で畏れ多くも天皇陛下のご会釈を賜った
高森明勅
このところブログの更新が滞ってしまった。 近況の一端を記しておこう。 3月4日〜6日、皇居勤労奉仕。 奉仕の期間中は毎朝、午前4時に起床した。 ご奉仕のメンバーは現役の大学生を含め、 20代·30代の若者達。私だけ少し(?)年齢が離れている。 彼ら彼女らは、ご奉仕を控えて2月25日に事前勉強会を行い、 私の講義を聴いている(懇親会も)。 コロナ禍前は4日間の...
女性皇族が婚姻後も皇籍保持、配偶者と子の身分は棚上げ?
高森明勅
政府が画策している皇族数の目先だけの減少対策について。 先頃、驚くべき情報に接した。 その中身はにわかに信じ難い。 だが、ソースの信頼性と、これまでの政府のやり方からすると、 全くあり得ない話ではないだろう。 そこで、ここに紹介しておく。 政府が差し当たり、皇族減少対策の“出口”=結論として 目論んでいるのは、以下のプランだという。 ①内親王·女王は婚姻後も...
天皇誕生日を振り返り皇室に「穏やかな春」が訪れることを願う
高森明勅
2月23日は天皇陛下の65歳のお誕生日だった。 心からお祝いを申し上げる。 終日、雨に祟られた昨年と違い、快晴の一日だった。 昨年の一般参賀での光景は、拙著『愛子さま 女性天皇への道』 (講談社ビーシー/講談社)で取り上げた(183ページ〜)。 その時は、シンガポールの青年と結婚して 同国に住んでいる長女が日本に帰国していたので、一緒に参賀に行った。 今年は...
敬宮殿下のお誕生日、23本目のリボンは白色
高森明勅
昨年12月1日、敬宮殿下23歳のお誕生日。 この日の情景が次のように描写されている (「文藝春秋」令和7年2月号)。 「23歳になった愛子さまだが、この日の夜、帰宅すると ダイニングテーブルの上に、両陛下からのプレゼントが メッセージカードとともに置かれていたという。 『両陛下は毎年、愛子さまにプレゼントを贈られますが、 箱に掛けるリボンの色が...
悠仁殿下までの皇位継承順序の固定化は法制度として不可能
高森明勅
衆参正副議長の呼び掛けにより、国会を構成する 全政党·会派を集めた全体会議が再開された。 少しでもまともな合意に達することを願う。 その際、額賀福志郎·衆院議長らが 「天皇陛下から秋篠宮殿下へ、更に悠仁親王殿下に至る 現在の皇位継承の順序を忽せにしない」という合意を 得ようとしている点は、気がかりだ。 今の皇室典範は、一夫一婦制で少子化が進む中でも、 明治以...
憲法の意思、国民の意思、皇室の意思に背く旧宮家養子縁組案
高森明勅
皇位継承問題について菅野志桜里氏が、 憲法の意思、国民の意思、皇室の意思から余りにも かけ離れている国会の現状を、鋭く批判されている。 まさに正鵠を射た指摘だ。 ここで思い起こされるのは、旧宮家系子孫男性の 養子縁組プランを推進して来た竹田恒泰氏の発言だ。 彼は自分の著書で、養子縁組プランの「課題」を列挙した (『なぜ女系天皇で日本が滅ぶのか』...
野田佳彦内閣おける「女性宮家」創設を目指す動きの内幕
高森明勅
野田佳彦内閣の当時、「女性宮家」の創設を 目指す動きがあった。 その内幕の一端について、近刊の笠原英彦氏 『皇室典範ー明治の起草から現代の皇位継承問題まで』 (中公新書)から紹介する。 「野田首相によれば、『当時の羽毛田信吾·宮内庁長官から、 皇族数の減少に対する危機感が伝えられたのがきっかけだ。 宮内庁サイドには女性宮家創設に期待する向きがあった』という」...
令和7年歌会始での御製、御歌、詠進歌の中から
高森明勅
令和7年1月22日、 新年恒例の「歌会始の儀」。お題(勅題)は「夢」。 敬宮殿下の御歌。 我が友と ふたたび会はむ その日まで 追ひかけてゆく それぞれの夢 常陸宮妃·華子殿下の御歌。 御即位の 儀式始まり 絹ずれの 音のみ聞こゆ 夢のはじめに 岡山県·西江涼帆さんの詠進歌(入選)。 大丈夫 あなたが夢を 追ふあいだ 私はずつと 追ひ風である 東京都·村木陸...
女性天皇も女系天皇も認めるが悠仁殿下までは順序変更せず?
高森明勅
こんな小咄(?)がある。 皇位継承における「男系限定論」と 「知性」と「誠実さ」の三者は兼ね備えられない。 男系限定論で知的なら誠実でなく、 同じく男系限定論で誠実なら知的でなく、 知的で誠実なら男系限定論ではない、と。 それはともかく、男系に傾斜しながらある程度、 知的で良識的な人たちの話を聴いていると、 皇位継承の将来、皇室の存続を真剣に考えると、 さす...
女性天皇の白の御衣(帛衣)こそわが国の本来の天皇の正装
高森明勅
今年の講書始の儀の中で、歴史学者(専門は古代史と衣服史)で 大阪大学名誉教授の武田佐知子氏の講義が行われた。 武田氏の講義では、古代日本で多くの女性天皇が 登場した背景として、その頃のわが国における 男女の性差意識の稀薄さが指摘された。 そのような内容が、皇室制度の改正を巡る国会での 全党協議が再開されようとしているタイミングで、 天皇皇后両陛下はもちろん敬...
皇室制度の改正に当たり当事者のお気持ちに配慮するのは当然
高森明勅
皇族数の減少に目先だけの歯止めをかけようとする 有識者会議の報告書。 そこには、内親王·女王が婚姻後も皇族の身分にとどまって戴く プランについて、以下のように書き加えてあった。 「新しい制度とする場合でも、現在の内親王·女王殿下方は、 天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは 皇族の身分を離れる制度…のもとで人生を過ごされてきた ことに十分留意する必要があります...
朝寝坊は「直系」の証し?
高森明勅
次のような記事を見かけた(友納尚子氏「愛子さまと悠仁さま」 『文藝春秋』令和7年2月号)。 「実は、日赤に入社してまもない4月、 歓迎会が開かれた翌朝に、愛子さまは遅刻をしてしまった。 『すみませんでした。起きられませんでした』と、 出社するなり、謝罪されたという。 『両陛下は、社会人となった愛子さまを甘やかすことなく、 遅刻した日も起こさなかったそうです。...
敬宮殿下が受け継ぐ「困難な道を歩む国民に心を寄せる」精神
高森明勅
敬宮殿下の「日本赤十字社ご就職に際しての文書回答」には、 皇室の役割について次のように述べておられた。 「私は、天皇皇后両陛下や上皇上皇后両陛下を始め、 皇室の皆様が国民に寄り添われながら御公務に 取り組んでいらっしゃるお姿をこれまで おそばで拝見しながら、皇室の役目の基本は 『国民と苦楽を共にしながら務めを果たす』ことであり、 それはすなわち...
喜びの連鎖と循環という敬宮殿下の「魔法」の力
高森明勅
12月のプレジデントオンライン「高森明勅の皇室ウォッチ」では、 天皇陛下の“魔法”めいた力を受け継がれた 敬宮殿下の笑顔が、次々と人々に「連鎖する」話を 取り上げた。 幸い多くの人々に読まれたようだ。 その中で、敬宮殿下の初の地方公務について良質な 取材記事を引用させて貰った。 これを書いた記者はこれまで、しばしば独自の切り口から 興味深い記事を発表しいてい...
来年は皇位継承問題の解決に向けどんな展開が予想されるか?
高森明勅
皇位継承問題は来年、どのような展開を見せるか? それを見通す上で、軽視できない今年の出来事を いくつか振り返る。 ①首相が岸田文雄氏から石破茂氏に交代した。 他に首相に就任する可能性があったのは、 高市早苗氏と小泉進次郎氏。 この2人のどちらかでなく石破氏が就任したのは、 「よりまし」な結果だった。 ②野党第1党の立憲民主党の代表が泉健太氏から 野田佳彦氏に...
男系限定によって皇室は滅びずに存続できたという妄想
高森明勅
こんな文章を見かけた。 《どの国、どの王朝も興亡をくり返してきた。… わが国は一度も王朝が変わったことはない。 …皇室は世界最古の王朝なのだ。 なぜか。 それこそ男系によって「権威」と「権力」の分離に 成功したことが挙げられる。 権力を手にした人間は権威を欲しがり、 常に両方を得ようとする。 だが、日本の天皇は男系しか許されない。 要するに時の権力者、たとえ...
秋篠宮殿下が今年もお誕生日会見で敢えて避けられたテーマ
高森明勅
秋篠宮殿下は今年のお誕生日に際しての記者会見でも、 重大なテーマに触れることを敢えて避けられたように見える。 「(悠仁親王殿下の)成年に当たって掛けられた言葉、 将来皇位を継承されるお立場である悠仁さまへの 期待をお聞かせください」という質問へのご回答は、 次のような内容だった。 「(成年に当たって掛けられた言葉については) 私が妻や娘たちに言ってきたことと...