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双系という「やまとごころ」
高森明勅
古代日本は、これまでの研究によって、「男系(父系)」 だけでなく「女系(母系)」も機能し得る、「双系(方)」社会 だったと見られている。 例えば、以下の通り。 「日本の古代社会には、父系、母系いずれの単系集団も存在していなかったが …親族名称、婚姻(こんいん)制度などから想定される基層社会は 双系的な性格が強い」 「双系的な基層社会は…小規模な自然水系に依存...
シナ風が古来の伝統?
高森明勅
天皇の皇位継承に伴う重要な祭儀が大嘗祭(だいじょうさい)。 その大嘗祭の大切な付属行事に「御禊(ごけい)行幸(きょうこう)」 があった。 神聖であるべき大嘗祭を行うに先立って、 天皇ご自身が京都の鴨川などに臨まれ、諸々の穢(けが)れを 除き清める行事だ。 大嘗祭が応仁の乱以降、9代の天皇、221年間に亘(わた)り中断した後、 江戸時代に再興してから現代に至る...
皇室に「姓」があった?
高森明勅
わが国の皇室には「姓(せい、シナ父系制に由来する 男系血縁集団〔日本の場合は必ずしも厳密な意味ではない〕 を示す呼び名)」が無い。 しかし、過去に自ら姓を名乗った一時期がある。 それは5世紀だ。 当時、シナ大陸は南北朝時代。 その南朝の宋(そう)から冊封(さくほう)を受けていた。 シナ王朝と形式上の臣属(しんぞく、臣下〔しんか〕として 服属する)関係を結んで...
皇室に縁もゆかりもない男性?
高森明勅
日本会議の機関誌『日本の息吹』2月号に、 奇妙な記述を見掛けた(執筆者は宮田修氏)。 「女性皇族が宮家の当主として結婚される場合、 皇室とは縁もゆかりもない男性が婿入りする可能性がある。 この男性をいきなり皇族として迎えることは国民には 強い拒否感があるだろう」と。 しかし、畏れ多いが、今の皇后陛下も、上皇后陛下も、 あるいは皇嗣妃殿下も、率直に申してご結婚...
ジェンダー・ギャップ指数
高森明勅
世界各国における男女格差を測る国際的な指数として、 メディアでよく取り上げられるのが、世界経済フォーラムの 「ジェンダー・ギャップ(男女格差)指数」(GGGI)。 経済、教育、保健、政治の4分野のデータから作成される。 これによると2020年のレポートでは、日本は世界153ヵ国中、 何と121位(!)。 勿論(もちろん)、先進国でぶっちぎりの最下位だ。 この...
「男尊女卑」と女性天皇排除
高森明勅
現在の皇室典範は皇位継承資格を「男系男子」に限定して、 皇統に属する女性・女系皇族のご即位を、全面的に排除している。 これは明治の典範の規定を踏襲したもの。 明治典範がそのような規定を設けたのは、 伊藤博文のブレーンだった井上毅(こわし)の考えが 強く反映している。 では、井上は何故、女性・女系を排除したのか。 シナ父系制(男系主義)に由来する (今やすっか...
福沢諭吉の平等的「女性」観
高森明勅
明治時代の代表的な思想家、福沢諭吉。 その「女性」観について以下のような指摘がある。 「注意すべきは、福沢〔諭吉〕が常に、女性も男性も 『万物の霊〔世界のあらゆるものの中で最も優れた存在〕』として 『軽重〔けいちょう〕の別』(どちらかが重要であるという区別) のない等しい人間として扱っていることです。 彼は、『一人前の男は男、一人前の女は女にて、自由自在なる...
近代思想家の差別的「女性」観
高森明勅
イギリス名誉革命の中心的論者だったジョン・ロック。 その社会契約や抵抗権についての考え方は、アメリカ独立宣言や フランス人権宣言に、大きな影響を与えたとされる。 しかし、その「女性」観はどうだったか。 以下のような指摘がある。 「ロックは、家族は男性と女性が結婚を契約することにより 始まると論じます。 しかしその関係については、女性が男性に従属するのは 当た...
台湾への防衛サポート
高森明勅
「最強の戦略家」と称されるエドワード・ルトワック氏。 日本に対して以下のようなアドバイスをされている (『月刊Hanada』3月号)。 「日本が台湾に関してやらなければならないことは、 彼らの抑止力を上げるということだ。 これは以前から言っているように、日本の対外政策の制限内で やれること、つまり『日本版のスウェーデン政策』を実行することである。 冷戦中、ス...
男系維持と皇位の安定継承
高森明勅
産経新聞(1月23日付)に 「正統保ち皇位の安定継承を/『旧宮家復帰』へ動く時だ」 との論説が載った(論説副委員長、榊原智氏)。 一読、落胆を禁じ得なかった。 「皇位の安定継承を」求めながら、皇位継承の将来を不安定なもの にしている、そもそもの“原因”に一言半句、触れていなかったからだ。 「継承権を持つ男性皇族が減り」と危機感を語る一方、 その“背景”を全く...
古代日本の「女性の地位」
高森明勅
わが国最古の仏教説話集『日本霊異記』(にほんりょういき、 成立は787年頃。822年頃に増補)。 その中に、古代日本の女性の社会的地位を窺わせる記事がある。 例えば、自分の夫に相応(ふさわ)しい男性を、両親や その他の仲介者に頼らず、独力で探す女性(上巻、2話)。 又、自分の夫も抵抗できなかった、理不尽な国守 (地方行政を司〔つかさど〕る長官)を怖(お)じけ...
江戸時代の女性の地位
高森明勅
江戸時代の女性の地位は意外と高かったようだ。 以下の通り。 「徳川政権が(女性差別的な)儒教の思想により政治を行い、 人々にもその教えに従って生きるよう強制したことはありませんでした。 武士についての記録や武士の日記を見ても、彼らが儒教の教えに従って 生きているようには見えないのです」 「(儒教が支配的だった)中国では文字通り女性は内にこもって外を歩かず、 ...
「女性差別」の精神分析
高森明勅
精神分析学者の岸田秀氏。 女性への差別は、男性の普遍的な「女性恐怖」に由来する、 というユニークな仮説を示されている。 「異性の親に育てられる男の子が直面する最初の状況は、 まったく無知無能な自分が圧倒的に強い全知全能の(と幼児には思える) 女に全面的に依存し支配されているという屈辱的状況である。 これが男の人生の出発点なのである。 男なら誰でも、抑圧してい...
キリスト教の女性差別
高森明勅
以前、主に田上太秀氏の研究成果を元に、仏教における「女性差別」 の激しさについて取り上げた。 ここでは、キリスト教の女性差別について、中村敏子氏の指摘を紹介する。 「西洋における女性差別の構造は、キリスト教の教えを基礎として作られました。 西洋社会はキリスト教を基本的枠組みとして作られており、 現在でも人々の生活の深いところにキリスト教の影響を見ることができ...