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「論点整理」何故コピペレポートになったか?
高森明勅
高森明勅 有識者会議が発表した「論点整理」。 見るも無惨な“コピペ”レポートに終わった。 鳴り物入りで発足した同会議だったのに。まさに竜頭蛇尾。 どうしてこんな情けないことになったのか?読売新聞(1月24日付朝刊)にこんな記事が。 「有識者会議の動きは、大島衆院議長ら国会議員の反発を招いた。野党だけでなく与党内からも『国会は有識者会議の下請け機関ではない』『有識者会議...
有識者会議は「強制退位」を推奨?
高森明勅
高森明勅 時事通信が配信した有識者会議「論点整理要旨」を見ると、譲位の恒久制度化の「課題」(難点)への批判は、ほぼ昨日指摘したので尽きている。 一点、“追撃”するなら、同要旨にはこんなことを述べている。 「天皇の意思に基づく退位を可能とすれば、憲法が禁止している国政に関する権能を天皇に与えたことになる」と。 既に繰り返し批判して来た言い分。 どこまで「国政に関する権能...
呆れ果てる有識者会議の論点整理
高森明勅
高森明勅 産経新聞(1月23日付)一面トップは「譲位『一代限り』にじむ 有識者会議、論点整理、全容判明」という記事。 「結論は明示せず」と。 今更、結論をぼかしても底意は丸見え。そもそも、会議設置前から結論は「一代限り」と決まっていた。とんだ猿芝居。 そのことを隠しもしなかった。予想に違わずと言うか、予想以上にお粗末極まる「論点整理」が出来上がったようだ。 譲位の恒久...
譲位は何故始まったか?
高森明勅
高森明勅 『歴史人』編集部から拙稿「女性天皇君臨の系譜の謎」再掲載の依頼。 2月25日発行の歴史人別冊『古事記・日本書紀と古代天皇の真実』に収録するのだとか。以前にも再掲載されているから、正確には再々掲載か。その文章の中で、譲位が何故行われるようになったかについて述べている。 「持統天皇の夫だった第40代天武天皇は壬申の乱(672年)という古代史上、最大の内乱を勝ち抜...
立憲主義の正反対
高森明勅
高森明勅 先に自民党改憲案について触れた。 それを読んで、同改憲案が“綺麗に”立憲主義の正反対になっている事実に、気づいてくれた人たちがいるようだ。 立憲主義の要点は、前にも引用した伊藤博文の発言に尽きているだろう。 「抑(そもそも)憲法ヲ創設スルノ精神ハ第1(は)君権(君主の権力)ヲ制限シ、第2(は)臣民(国民)ノ権利ヲ保護スル二アリ」(『枢密院会議議事録』第1巻)...
政争の具にしようとしているのはどっちだ
高森明勅
高森明勅 天皇陛下は「譲位の恒久制度化」を望んでおられる。そのご真意が誰にでも分かるように強く示唆されたお言葉を、全国民(更に全世界)に向けて発表された。 内閣はそれに同意し、自らの責任でお言葉の公表に踏み切った。お言葉を拝して多くの国民は、陛下のお望みを速やかに実現して差し上げるべきだと願っている。だから、今国会で政府から「退位の恒久的なルール」を盛り込んだ皇室典範...
女子校力?
高森明勅
高森明勅 自慢ではないが、私は世間に疎い。 先般も、日本共産党の志位委員長が「ピコ太郎」を知らなかったと揶揄する記事を見て、「はて? ピコ太郎って何だ?」と首を傾げた。殆ど志位委員長と五十歩百歩。 と言っては志位委員長に失礼か。でも「女子力」という言葉くらいは知っている。内容も何となく想像できる。男性にも当てはめることが出来るとか。 「〇〇君は女子力がある」という具合...
FLASH、日本経済新聞、ニュース女子
高森明勅
高森明勅 1月19日、新宿で『FLASH』の取材を受ける。来週発売号の「天皇と日本人を考える」シリーズ第4弾の為。このところ、この企画絡みで毎週取材に応じている。今回は本命の「皇位継承」がテーマだとか。 1時間ほど喋った。その記者は、旧宮家系男子より血統的には遥かに近いという、大阪・北新地でワインバーを経営している男性や、河内長野市の神主らにも直接、取材を試みたらしい...
朝日新聞、丁寧な世論調査
高森明勅
高森明勅 先に、JNNの世論調査を、調査の名を借りた悪質なプロパガンダ、と批判した。朝日新聞が1月14・15両日(JNNと同日)に行った世論調査は、その逆。 実に丁寧な調査だ。 まず、今の天皇陛下だけが退位できるようにするのがよいかどうか、を尋ねた。 「今後のすべての天皇も退位できるようにする」が62%。 相変わらず高い比率を占めた。 これに対し「今の天皇だけ退位でき...
藤田宙靖氏の「特別法」論
高森明勅
高森明勅 朝日新聞(1月18日付朝刊)に元最高裁判事で東北大学名誉教授の藤田宙靖氏の「退位のルール」を巡るインタビュー記事が載っている。この種の記事では最も良質だろう。例えば昨年8月8日のお言葉について。 「憲法が禁じる天皇の国政への関与につながりかねないとの批判もありますが、そのようにとらえるのは法理論的には全く筋違いというべきです」と。 しかし、 「『陛下が辞めた...
政府は何をやっているのか
高森明勅
高森明勅 1月17日、宮内庁の西村泰彦次長は定例会見で、政府が平成31年元日に新天皇の即位と改元を検討していることについて、「なかなか難しい」との見解を述べた。 これは、宮内庁に何の連絡も相談もなく、そうした検討が行わていれた事実を暴露するものだ。宮内庁に何の連絡も相談もない、ということは勿論、当事者でいらっしゃる天皇陛下のご都合もお考えも一切、無視していた、というこ...
JNN、奇妙な世論調査
高森明勅
高森明勅 TBS系のJNNが1月14・15両日に世論調査を行ったとして、次のようなニュースが流れた。 「天皇陛下の退位をめぐる政府の有識者会議で今月23日に今の天皇一代に限って退位を認める特例法を中心とした考えを示す方向について聞いたところ、『賛成』は82%、『反対』は12%でした」と。 「エエッ、特例法の支持がこんなに増えたのか」と驚いた人もいたのではないか。 しか...
馬鹿の底が抜けていた自民党改憲案
高森明勅
高森明勅 天皇陛下のご譲位を巡り、政府の「馬鹿の底」が抜けているような、迷走が続いている。 しかし考えてみると、自民党の馬鹿の底はとっくに抜けていたのかも知れない。平成24年に自民党が纏めた憲法改正草案を眺めると、改めて強くそう感じる。 取り分け、これまでも様々な場面で批判して来た第99条(憲法尊重擁護義務)の改正案の酷さだ。 現行条文は次の通り。 「天皇又は摂政及び...
【特例法は「ルールなき先例化」】
高森明勅
高森明勅 私の談話が掲載された朝日新聞(昨年12月28日付朝刊)が届いた。 年末年始でバタバタしていた為か、うっかり忘れていたのか、届くのが些か遅め。 しかし、記事はよく纏まっている。 60分プラス40分、2回にわたり100分位喋った内容のポイントを、僅かな字数に見事に納めている。 「天皇退位への提言」シリーズ最終回(5回目)で、タイトルは「『ルールなき先例化』危険」...
萩生田光一氏は何をしている?
高森明勅
高森明勅 内閣官房副長官の萩生田光一氏は安倍首相の側近中の側近とされる。 彼は以前、このように述べていた(平成26年、当時は自民党総裁特別補佐)。 「天皇は男系男子が基本だと思いますが、現実問題として、それでは将来的にどんどん道が狭まることは確実です。…宮家の跡取りは、ほとんど女子ですよね。その方たちが結婚して家を出ていかれたら、間違いなく宮家はなくなります。そう考え...
いくつかメディア露出のこと
高森明勅
高森明勅 1月15日、昨年12月に収録した読売テレビの「そこまで言って委員会NP」が放送される。 先日は、来週発売の『週刊エコノミスト』と『FLASH』の取材を受けた。 更に『SAPIO』3月号の原稿を依頼される。 同誌から別に14日、靖国神社絡みの取材も。 また報道バラエティー「ニュース女子」にも出演。 19日に収録、TOKYO MXで30日午後10時から、DHCシ...
「平和で幸せな生活」を支えるもの
高森明勅
高森明勅 批評家の小浜逸郎氏がイマヌエル・カントの『実践理性批判』を批判した文章の中に、次のような一節がある。 「私たちは普通の日常生活において、勤勉に仕事をこなし、家族とともに寝食し、人を傷つけず、大過なく1日をすごすならば、それだけで十分に『道徳的』なのです。なぜならその場合、私たちは、何も禁止を破らなかったし、平和を守ったし、秩序を尊重したし、他人も自分をも不幸...
安倍政権は陛下の「廃位」を企てている?
高森明勅
高森明勅 天皇陛下のご譲位を巡り、政府の馬鹿さ加減の底が本当に抜けてしまったのか。 ネット上で、毎日新聞の「〈退位後称号〉『上皇』使わず 政府、『前天皇』など検討」というニュースを見かけた。 「政府は天皇陛下が退位した後の称号について、歴史的に使われてきた『太上天皇』と略称の『上皇』は使用しない方針を固めた。上皇が天皇より上位にあるとして政治に関与した歴史があり、皇位...
明石元紹氏の訴え
高森明勅
高森明勅 『文藝春秋』2月号に明石元紹氏の「『生前退位』有識者会議に異議あり」が載っている。明石氏は天皇陛下の学習院時代(初等科から高等科まで)の同級生。 卒業後も乗馬などを通じて長年、交流を深めて来られた。 最近も、「生前退位」のご真意を巡り、陛下から電話を戴いた事がニュースになった。 「一代限りの特例法という措置は、その場しのぎにすぎません。政府のこの態度は、この...
政府内に正論派と邪道派?
高森明勅
高森明勅 産経新聞(1月10日付)1面トップに「新元号 平成31年元日から」という記事。その中にこんなことが書いてある。 「皇室典範に関しては、付則の一部だけを改正して特例法で対応するか、本則一部も改正するか、政府内で意見が分かれている」と。この記事で興味深いのは、特例法“だけ”という選択肢が、スッポリ抜けている点だ。 これまで各種メディアの報道では、政府の譲位への対...