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ご譲位を巡る9つの「出口」
高森明勅
高森明勅 天皇陛下のご譲位がどのような決着を迎えるか。 およそ9つの「出口」を想定できる(どれも理念型)。 A、皇室典範の改正により、譲位が制度化され、併せて皇位の安定的継承への道も開かれる。 B+、皇室典範(本則)の改正で譲位の制度化が実現し、引き続き皇位の安定的継承への典範改正の検討が約束される。 B、皇室典範(本則)の改正で譲位の制度化が実現する。 C+、皇室典...
民進党、皇室典範改正案の策定へ
高森明勅
高森明勅 民進党が皇室典範改正案の策定に着手したとの報道。いよいよ攻勢に出たか。 典範改正案を作るのに、政府が逃げ口上にして来たように、「時間がかかる」訳では決して“ない”。 その事実がはっきり明るみに出るだろう。念のために、譲位の制度化に“限定した”改正私案を改めて掲げれば、以下の通り。 第4条 天皇が“退位し、又は”崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する。第4条の2...
森友学園の土地取得、「働きかけ」を認めた?
高森明勅
高森明勅 2月24日の衆院財務金融委員会で、安倍首相は森友学園の土地取得に絡み、(安倍氏本人以外の)自民党議員による圧力や利益授受は無かったと断言できるか、問われた。 これに対し、安倍氏の答弁はこうだ。 「不当な働きかけについては一切無かったというふうに報告を受けている」と。 これは官僚が練り上げた巧妙な言い回し。 まず「不当な働きかけ」という表現。 この言葉に注目す...
皇室典範はやっぱり「格別の法」
高森明勅
高森明勅 被占領下の憲法制定に伴い、皇室典範はそれまでの最高法規としての地位を否定された。憲法下の一法律とされたのだ。 しかし、それでも辛うじて「格別の法」としての痕跡をとどめ得た事実を見逃してはならない。それは、憲法に下位規範である法律に委ねた箇所がいくつもある中で、唯一、皇室典範だけ委任すべき法律名が、具体的に挙げられている事実だ(第2条、第5条)。そこで規定され...
悪魔の証明
高森明勅
高森明勅 消極的事実(無いこと)の証明は限りなく困難。 だから「悪魔の証明」と呼ばれたりする。 従って、通常はそうした証明が求められることはない。 “南京大虐殺”を主張する者が、対立する論者に「虐殺が“無かった”と証明してみせろ!」と要求することはできない。虐殺を主張する者が、自ら“あった”と必要かつ十分な証明をしなければならない。 しかし、安倍首相の場合はどうか。 ...
皇太子殿下のご覚悟
高森明勅
高森明勅 2月23日、皇太子殿下は57歳のお誕生日をお迎えになった。1人の国民として心からお祝い申し上げる。この日にご発表になった記者達へのご回答の内容は、皇嗣としてのご覚悟に満ちたものだった。 心強く有難い。 以下に、その一部を謹んで掲げさせて戴く。 「(昨年8月8日の天皇陛下のお言葉について)天皇陛下には、御即位以来、長年にわたり象徴天皇としてのお務めを果たされる...
皇室典範は「格別の法」
高森明勅
高森明勅 葦津珍彦氏が以前、こんなことを書いておられた。 「いはゆる新憲法の下においては、皇室典範も皇室経済法も、法の上では一般法律と同じとなった。皇位継承法も摂政についての法も、元号法についても、前代の法は、今ではその法的地位が移って、一般の国務法としての形をとってゐる。これらは、前時代までは一般法律より重い意味があったが、今日では法理論としては全く差のない一般法律...
「恒久制度化」批判に根拠なし
高森明勅
高森明勅 2月20日の自民党の高村副総裁の記者会見。 譲位の“恒久制度化”を批判して、以下のように述べた。 「どこまで将来の予見可能性があるか、また要件を設定することが必要だが、詳しく書くことは困難で、漠然としたものだと恣意的に使われないかという懸念が指摘されている。 仮に具体的な要件を設定する場合、天皇の意思を要件とすると憲法に反するのではないか、年齢を要件とすると...
民進党、野田幹事長のイニシアチブ
高森明勅
高森明勅 2月20日、天皇陛下のご譲位を巡り、衆参両院の正副議長が各党・各会派から意見を聴取した。聴取後の自民党の高村正彦副総裁の記者会見の模様を見ると「自民党としては一代限りの…」と言った後、暫く言葉に詰まり、ようやく「特例法を作る」と続けた場面が印象的だった。いかにも頼りなさそう。 「皇室典範の改正か、特例法か」が問われている場面で、自民党でこの議論を取り仕切って...
摂政論の「功績」
高森明勅
高森明勅 7月13日以降、摂政設置論を公然と唱えた者らがいた。摂政の何たるかを知らない無知ゆえか。そうでなければ不敬の極み。 8月8日以降も、なお摂政論を唱え続けた者どもも。 この者らは、もはや“反逆者”と言う他ない。 国民の中に僅かな数でも、このような不敬不逞の者らがいたのは、天皇陛下にまことに申し訳ないことだった。 しかし、良かったこともある。 彼等の“正体”がは...
安倍首相、暗に陛下を批判?
高森明勅
高森明勅 1月26日の衆議院予算委員会で細野豪志議員が質問。それに対する安倍首相の答弁に、こんな表現が。 「玉座(ぎょくざ)を以て胸壁(きょうへき)となすのは」云々(…もう安倍氏も読めるよね)と。国会で天皇陛下のお言葉を持ち出すな!という不敬かつ見当外れの言い逃れだ。 お言葉が(公的行為として)内閣の責任で公表されている以上、そのお言葉に背こうとする内閣の姿勢を、国民...
皇室典範の「強制」規定
高森明勅
高森明勅 一般には殆ど気付かれていないだろう。 皇室典範には、皇籍からの離脱を「強制」する規定がある。 第11条第1項に、15歳以上の内親王、王及び女王は「その意思に基き、皇室会議の議により」皇籍を離れることが出来る、との規定がある。 その次に、第2項として親王(皇太子及び皇太孫を除く)、内親王、王及び女王について、以下のように規定する。 「前項の場合の外、やむを得な...
「天皇退位」を巡るYahoo!の意識調査
高森明勅
高森明勅 Yahoo!が「天皇退位」を巡り1月23日から2月10日まで意識調査を行った。昨年8月8日のお言葉から半年位が既に経過した時点での調査ということになる。 投票総数は253,586票。 普通、メディアが行う世論調査の場合、サンプル数は1000人前後だから、桁違いに多い。国民の関心の高さが長く維持されている事実を窺わせる。回答は次の3つから選ぶ。 「一代に限る特...
謹んで訂正
高森明勅
高森明勅 2月17日午前7時にアップしたブログ「強制か非強制か」に、譲位の3要件を列挙した中で、(3)の「皇室会議の議決による。」とあるべき箇所が、誤って「皇室“典範”の議決による。」となっていました。 ここに謹んで訂正致します。
強制か非強制か
高森明勅
高森明勅 譲位の制度化を巡る最大の論点は何か。 強制か、それとも非強制か。 それに尽きる。安倍首相自身が強く拘っていると伝えられるのは、特例法による「一代限り」のご譲位という暴挙。 さすがにやや譲歩して、皇室典範(の付則又は本則)に根拠規定を追加して、特例法で対処、という形に重点を移しつつあるようだ。しかしそれも、恒久的な譲歩のルール(要件と手続き)を“決めない”まま...
いくつハードルを越えたか?
高森明勅
高森明勅 譲位の制度化などを巡るこれまでの経過で、既にクリアした「ハードル」は何か。 (1)摂政設置論。「保守」系論者の多くが唱え、保守「劣化」の現実をまざまざと見せつけた。しかし、さすがにそれが実現する可能性は無くなった。 (2)国事行為の臨時代行。これも、保守系の一部が主張したものの、全く相手にされずに終わった。 (3)ご公務の軽減。政府が設置した有識者会議の“看...
自民党はどこまで情けないのか
高森明勅
高森明勅 日本テレビが「“天皇退位”自民党案、『一代限り』特例法」というニュース。 「民進党が皇室典範の改正や女性宮家の創設に向けた議論を求めていることから、皇室典範の中に特例法案の根拠となる規定を検討することや、退位が実現した段階で皇位の安定的継承についても検討すべきとの内容も盛り込まれた」と。 何と情けない。 民進党がどうであれ、皇位継承の将来はこのままでは極めて...
「戦い」とは
高森明勅
高森明勅 今回の道場では、ゲストの細野豪志・山尾志桜里両議員の発言から、ご譲位を巡る取り組みも残りの時間はあと僅かという事実が、改めてはっきりした。これまで天皇陛下から御心を掛けて戴いて来た平成の国民が、初めて陛下にお報いする為の「戦い」だ。 外堀は、少しずつでも、埋まりつつある。 しかし、状況は全く予断を許さない。 「一代限りの特例法」という不敬、違憲で民意にも背き...
2月の道場は大成功!
高森明勅
高森明勅 2月のゴー宣道場は大成功。自分で言っているんだから間違いない。 と言うのは勝手な主観。アンケートを読むと客観的に確信出来る。何よりアンケートから伝わる熱気。 それもただの熱気ではない。自分の頭で考え、自分の言葉で(ごく限られた時間の中で)自分の思いを精一杯、書き込んで下さっている。その内容のレベルの高さ。 私たちが伝えたかった大切なところを、しっかり受け止め...
「象徴行為」の一資料
高森明勅
高森明勅 熊本市役所に勤務されていた折田豊生氏が、年頭にご発表になった御製を解説された文章の中で、地元の熊本に両陛下がお出ましになった時の様子を記されている(『国民同胞』664号)。 言う迄もなく、例の「幼子の静かに持ち来(こ)し折り紙のゆりの花手に避難所を出づ」の御製にちなんでだ。 はしなくも、陛下の公的行為(象徴行為)が持つ意味を、改めて考える場合の貴重な資料にな...