小林よしのり

村山談話・河野談話に未来はあるか?

小林よしのり

2014年 2月 12日

村山談話・河野談話に未来はあるか? 1

村山富市元首相は韓国の正義党の招待で211日に訪韓し、
元従軍慰安婦の女性3人と面談した。
さらにソウルの国会で開かれた韓国議員の前で講演し、
過去の植民地支配などを謝罪した1995年の「村山談話」について
安倍首相も継承すると言っているので安心してほしい」と
強調した。
村山氏はいわゆる従軍慰安婦問題についても「女性の尊厳を
奪った大きな罪だ。(日韓の)政府で話し合い、決着をつけて
ほしい
」と話した。

韓国側は村山氏と連携し、安倍政権に圧力をかける狙いが
あったのだが、村山氏は安倍政権への批判を避け、
関係改善に向けた韓国側の努力も要求したので、韓国側は
「肩すかし」を食ったと感じたようだ。

自称保守派やネット右翼にとって村山富市は売国奴だろうが、
韓国側の思惑通りに安倍政権への批判を行わなかったという
ことに注目しなければならない。
むしろ日韓首脳会談の実現の後押しをするために、安倍政権に
協力をしたのではないかと思えるほどである。
菅官房長官も村山氏のこの韓国での発言に対し否定的ではない。

実際に「村山談話」及び「河野談話」を安倍政権は継承していく
ことを決めている。
決して「河野談話」を否定することはないだろうし、「村山談話」を
否定することなど、さらにあり得ないのだから。

だが、日本は韓国を侵略したと、本当に言えるのだろうか?
いわゆる従軍慰安婦に対して、日本はまだ謝罪や賠償を
繰り返し、負い目を感じなければならないのだろうか?

かつて『ゴーマニズム宣言』で慰安婦問題を描いてから18年、
『戦争論』で祖父たちの擁護をしてから16年が経った。

もはや20代、30代は『戦争論』を知らない若者も増えてしまった。
もう一度、「村山談話」「河野談話」を検証してみようと思う。                                               (続く)