小林よしのり

21世紀懇親会報告書に違和感あり

小林よしのり

政治・経済
2015年 8月 7日


戦後70年談話 21世紀構想懇談会報告書を読んだ。

14日に出す安倍談話とやらの下地になる歴史観が書いてある。

「わしのと違うなあ」という感想を吐露するしかない。

特にアジア解放の国策・理念の全否定は納得できない。

 

懇談会の見解では戦前と戦後で日本は全く違う国になったと

総括されている。

戦前は自虐史観で全否定、戦後の従米路線は全肯定、

驚くべき歴史観である。

 

なんと911以降の米国のテロとの戦いに何の疑問も持たず、

それを支持した日本政府の、自衛隊イラク派遣まで

評価している。

航空自衛隊がイラクで輸送した6割は、米軍・米軍属だった

のであり、すでに名古屋高裁で違憲判決が出ている。

 

日本がバグダッドに運んだ米兵たちはファルージャに行って、

盛大に民間人の虐殺を行っている。

もちろん民間人の虐殺は戦争犯罪である。

日本は米軍による民間人虐殺の手助けをしていたのだ。

それを懇談会の有識者たちは肯定しているのである。

 

道義のカケラもない奴らが、今また安保法制は世界の平和

のためと偽って、アメリカの戦争犯罪の手助けをしようと

企んでいる。

戦前を「侵略」と断罪し、戦後を「国際貢献」と偽って、

戦争への道は着々と切り開かれている。