高森明勅

新国立競技場、朝日新聞も他人事

高森明勅

2015年 7月 27日

朝日新聞(7月26日付朝刊)の「政治断簡」欄に編集委員、
前田直人氏の「『新国立』工費膨張 闇を照らせ」との一文。

新国立競技場の総工費、
「なぜ、こんなに値段がはね上がったのか」という、
至極まっとうな疑問の提示から書き始める。

で、締め括りは?

 「与野党をあげて、闇を照らしてほしい」って、
他人に丸投げ。

おいおい、お前は誰だ?

テレビの前でビール飲みながら、
不平をぶつけてるステテコ姿のおっさんか?
(まぁ、
ステテコは私も愛用しているが)

一応、ジャーナリストの端くれじゃないのか?

どころか、「天下の朝日」(何だか懐かしい表現になってしまったが)
の編集委員なら、
ジャーナリストの中でもエリートの部類だろう。

政治家の皆さん頑張って”で済ませるなら、
端っからこんなテーマを取り上げるな。

文章を読むと、
ゼネコンがド素人の文科省やJSCの足元を見て、
工費をガンガン引き上げ、それを抑制できなかったのが
最大の問題ーって方向に論旨が行きそ
うな手前で、
回れ右(広告主だった?)。

「工費をふくらませた『真犯人』は、
ブラックボックスと無責任らしい」などいう、

恥ずかしい“無責任”なセリフでお茶
を濁している。

「工費の増大は、アベノミクスによる公共事業復権の時期とも
重なるだけに、
政治がどうかかわったかもポイントだろう」

と言うなら、ますますジャーナリストの責任重大。

朝日新聞よ、前田記者よ。

君たちこそ、「闇を照らせ」!