高森明勅

靖国参拝無き安保法制

高森明勅

2015年 7月 8日

集団的自衛権の行使は、独立国なら当たり前。

だが問題は、今の日本が独立国なのか、どうか。

と、以前にも述べた。

具体的には、例えば首相の靖国神社参拝。

今年は戦後70年の節目の年。なのに、
安倍首相が靖国神社に参拝する気配は、微塵もない。

どころか、安倍首相はよりによって、
靖国神社に勅使のご差遣を仰ぐ4月22日、
春季例大祭当日祭の日に、中国の習近平国家首席との
首脳会談を行った。

もう靖国神社参拝は致しません、
と中国側に約束したと受け取られてもやむを得ないタイミングだ。

これは中国への屈服である以上に、アメリカへの屈服だろう。

首相の靖国神社参拝の“再”中断は、
一昨年、
アメリカからクレームを付けられたのが、
決定的だったとしか考えられないからだ。

祖国の防衛に一命を捧げられた戦没者への追悼や顕彰すら、
他国の言いなりになって、さっさと中止してしまうような独立国が、
一体どこにある?

そんな体たらくで、
集団的自衛権行使の法制化に踏み込めばどうなるか。

余りにも分かりやすい話だ。