高森明勅

伊藤之雄氏の「退位」論

高森明勅

2016年 12月 16日

日本近代史研究の第1人者で京都大学教授の伊藤之雄氏の
「『
退位』の近代史」から。

退位問題を歴史的に考える際にこれまで見逃されてきた点は、
明治期の大日本帝国憲法・旧皇室典範、終戦直後の日本国憲法・
新皇室典範を制定した2つの時期における大きな制約である」

昭和天皇は日本の復興を精神的に支えようと、新憲法公布後から
国事行為』にない日本各地への行幸をさらに積極的に行う。
現天皇は、それをますます拡充されてきた」

「日本の古代以来、儀式のあり方等天皇の行動様式を大きく変えつつ、
天皇制は存続してきた。
また、国内外の歴史から、天皇・
皇族とて人間としての生きがいを
感じなければ、
制約の多い生活の中で高いモラルを維持することが
難しいことがわ
かる」

「この機会に、『象徴』天皇制はどうあるべきかを、現天皇・皇室や
国民感情に沿って決断すべきだろう」

同氏が何を言おうとされているかは明らか。