小林よしのり

「共謀罪」国連特別報告者の書簡が正しい

小林よしのり

日々の出来事
2017年 5月 22日


「共謀罪」に懸念を訴える国連特別報告者の書簡が安倍晋三

宛に送られている。

ケナタッチ氏の書簡は、「共謀罪」がプライバシーや表現の

自由を制約する恐れがあることを明確に書いてくれている。

しかもこの書簡は、質問項目を列挙して、政府の回答を求め

ている。

 

この書簡を熟読したが、まったく正しくて、実に凄い。

日本のマスコミや、自称保守系の知識人は、日本の国内に

いながら、国連で働く外国人よりも「共謀罪」法案の真の

意味を理解していない。

まったく情けないことだ。

 

わしは「共謀罪」反対のデモには共感する。

「安保法制」のときの若者のデモは、基本的に日本の安全

保証について、無責任で、憲法9条護持であることが見え見え

だった。

「民主主義とは何だ?」という馬鹿馬鹿しい掛け声には、

反吐が出た。

なぜなら、民主主義とは、国防軍を持つことからしか、

始まらないからだ。

 

だが、「共謀罪」に右寄り、左寄りは関係ない。

「プライバシー侵害」や「表現の自由」を縮小する法案は、

保守の立場からでも反対するしかないのだ。

 

現在の各社世論調査では、「共謀罪」に反対が、「賛成」を

上回ってきた。

ようやく国民がこの法案の危険性を知り始めた段階だろう。

「法案の急速な採択を進める政府の圧力によって、十分な

国民的議論の促進が損なわれている」という国連特別報告者

の指摘は、その通りである。