高森明勅

紙の本と電子書籍

高森明勅

2017年 9月 12日

面白い実験がある。

紙の本と電子書籍、
どちらが記憶に残り易いか?

「ノルウェーの研究者、アン・マンゲンの研究では、
参加者に28ページの短編小説を読んでもらい、
あとから重要なシーンをどのくらい思い出せるかを調べた。
このとき、参加者の半分は電子書籍の端末で、残りの半分は
ペーパーバックで読んでもらった。

登場人物を思い出すことに関しては、
どちらのグループも同程度の成績だった。

ところが物語の流れを再構築するよう頼んだところ、
大きな違いが出た。

電子書籍で読んだ人は、14に分けたストーリーを
正しい順番に並べるテストで、
著しく悪い成績だった。

マンゲン氏は、
物語の進行に合わせて紙をめくっていくという作業が、
一種の感覚的な補助となるのだ。
すなわち、触覚が、
視覚をサポートするのだ』という」
(山口創氏)

それはそうだろうと納得できる。