高森明勅

来年の大嘗祭に万全を期す方法

高森明勅

2018年 5月 11日

5月10日、福島県郡山市へ。

神職の研修会に出講。

御即位30年と御代替わりについて」との演題で
2時間、
話をした。

質疑応答の時間を十分取れなかったのは残念(私の喋り過ぎ)。

でも2人から質問を受けた。

その1人は熱心で、わざわざ控え室まで来て感想を述べてくれた。

改元と「ご聴許」の件。

更に、控え室で別の方からも感想を承った。

私が講演中に問題提起した、皇太子殿下のご即位が来年
5月1日」になってしまった事について。

同年11月に予定されている大嘗祭に、
新穀を献上する悠紀(
ゆき)・主基(すき)両地方を、
亀卜(きぼく)
によって決める場合、既に田植えが終わっている
地域は予め除外するのか。

それとも、既に田植えが終わっていても構わずに選ぶのか。

前者なら、一部の国民を予め排除する形になるから、
「国民統合の象徴」
である天皇のご即位に伴う行事には、
相応しくない。

後者だと、祭祀に求められる「清浄さ」の確保において、
疑念が生じかねない。

この難問に、政府は全く無頓着。

むしろ悪意すらあるのかと疑ってしまう。

こんな事では皇室に申し訳ない。

これについて、次のように語られた。

「先生がおっしゃるようであれば、○○するしかありませんね」と。

おー、そういう対処の仕方があったか。

思いも寄らぬ解決策を、当たり前のように口にされた。

確かに、そのようにすれば何とかなりそうだ。

しかし、その為には民間の努力が不可欠。

だが、国民の奉賛によって“こそ”成り立つ
大嘗祭の本質に照らしても、
十分に許される取り組みだろう。

早速、微力ながら私もその方策の実現可能性を探りたい。

貴重なアイディアを戴いて帰路についた。

6月上旬には天皇陛下の福島県へのお出ましを仰ぐ。

なので地元の皆さんは、そのお迎えに遺漏無きよう、
様々に心を配っておられる様子だった。

なお私は、8月30日の福島県神社関係者大会でも、
講演をする予定。

会場は福島市の「とうほう・みんなの文化センター」で、
千五百人位集まるそうだ。