高森明勅

日本とドイツ、憲法比較

高森明勅

2018年3月8日 22:00

第2次世界大戦の敗戦国、ドイツ。

その「ドイツ連邦共和国基本法」(1949年5月施行)にも、
わが国の憲法9条1項と共通する条文がある。

即ち「諸国民の平和的共同生活を妨げ、特に侵略戦争の準備をする
のに役立ち、かつ、
そのような意図をもってなされる行為は、違憲で
ある」(26条)
と。

しかし、日本の憲法とは異なり、憲法施行後の改正で、
以下のような条文も追加された。

「男子に対しては、18歳から軍隊、連邦国境警備隊または
民間防衛団における役務に従事する義務を課
すことができる」
(12a条1項=1968年6月に追加)

連邦は、(国の)防衛のために軍隊を設置する」
(87a条1項=
1956年3月に追加)等。

先の条文を残したまま、「軍隊」に関する規定が当然のように
“追加”されているのだ。

こう見ると、わが国の憲法9条1項も、
それ自体は、特に「軍隊」
そのものを排除する規定ではない、
と理解できる。

やはり憲法改正の“焦点”は2項(特に「戦力不保持」規定)だ。