高森明勅

人間の3類型

高森明勅

日々の出来事
2018年 6月 28日
私のこれまでの狭い見聞によると、
人間には大雑把に言って、3種類のタイプがあるようだ。
 
まず、全てのタイプに共通するのは、
皆、何らかのハンディキャップを背負っていること。
 
他人から見ると、何の不足もない、
羨ましい限りの人生のようでも、
どこかにマイナスの要素を抱えているのが普通だ。
 
しかし、そのハンディキャップを逆にバネにして、
大きな成果を生み出したり、目覚ましく成長したり、
素晴らしい幸せを掴んだりするタイプがいる。
 
例えば、歴史上の人物では精神分析の創始者、フロイト。
 
彼は不器用で、同時代に開発されていた催眠術による
ヒステリー治療法をうまく駆使できなかった。
 
その為、独自に「夢判断」や「自由連想法」による
治療法を編み出し、やがて精神分析学を大成させた。
 
ノーベル生理学・医学賞を受賞された
京都大学の山中伸弥教授も、そうだ。
整形外科の研修医としては手術が下手で、
“ジャマナカ(邪魔中)”などと呼ばれていた。
上手い医師なら20分位で済む手術に2時間も
かかったとか。
 
そこで研究者に転身し、
iPS細胞の研究で世界的な業績を生み出されている。
 
一方、そのハンディキャップ故に、自暴自棄になったり、
怠惰に流れたり、他人を恨んだりして、周りに迷惑をかけ、
自分も傷つけ、破滅の道に落ち込むパターンがある。
 
最後に、ハンディキャップを抱えつつ、
飛躍もしない代わりに、極端に堕落もしないで、
それなりに無難に世の中を渡っていくというケース。
 
この3類型だ。
 
これは、各人が抱えているハンディキャップの
種類や程度とは、ひとまず関係なく、分かれるようだ。
 
巨大なハンディキャップを背負いながら、
それを乗り越えて偉業を成し遂げたり、
ちっぽけなハンディキャップに躓いて人生を棒に振ったり。