高森明勅

大嘗宮の「原始性」

高森明勅

皇室・皇統問題
2019年 9月 17日
大嘗宮の悠紀(ゆき)・主基(すき)両殿は古代以来、
「萱葺(かやぶき)屋根」、皮を削らない丸木の材木を用いた
「黒木(くろき)造り」という形を、直近の平成まで維持して来た。
わが国の建築の屋根形態として最も「原始的」なのは萱葺だったとされる
(原田多加司氏)。

又、黒木が(皮を削っただけの白木と比べても)木材として

最も原始的な使い方であるのは勿論だ。
大嘗祭が成立したのは、既に高度な建築様式を採用していた
飛鳥時代だった。
その事実に照らして、大嘗宮は“自覚的”に原始性を追求した
建物だったと考える他ない。
極力、人工的な要素を排除する事が、大嘗祭に欠かせない
「清らかさ」を確保する為に、どうしても必要だったのだろう。
令和の大嘗祭でもその伝統は守られるのか。

―なお直前ながら9月18日(水)に私の講演(令和の大演説会)が

予定されている。
演題は「天皇と国民をつなぐ大嘗祭」。
主催は同名拙著の版元、展転社。
東京・文京シビックホール(小ホール)にて午後6時半開場、
45分開始で同8時半に終了。
参加費は2千円。
平日にしては開始時間が少し早いような気もするが、
興味があって参加可能な人は覗いてみて欲しい。 

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/