高森明勅

11月8日に「立皇嗣の礼」

高森明勅

皇室・皇統問題
2020年 10月 9日

10月8日、首相官邸で式典委員会が開かれ、
“天皇の国事行為”として行われる秋篠宮殿下の為の
「立皇嗣の礼」が、11月8日に実施されることが決まった。

新型コロナウイルスへの対策として、「立皇嗣宣明の儀」の招待者を
当初予定していた350人規模から50人程度に絞り込み、
祝宴の「宮中饗宴(きょうえん)の儀」は取り止めるという。

この儀式の後、皇太子の“しるし”とされる
「壺切御剣(つぼきりのぎょけん)」が、天皇陛下から秋篠宮殿下に
授けられる。
それから秋篠宮殿下は御剣と共に宮中三殿に向かい、
賢所(かしこどころ)・皇霊殿(こうれいでん)・神殿を拝礼される
(翌日以降、伊勢の神宮、神武天皇陵、昭和天皇陵へも)。

これ以降、秋篠宮殿下は皇太子に“準じる”形で皇室の祭祀に
携わられるだろう。
その最初は、恒例祭祀としては同月23日の新嘗祭(にいなめさい)。
同祭では、神嘉殿(しんかでん)の正殿にて天皇陛下が親しく
神饌(しんせん)をお供えになり、恭(うやうや)しく御告文
(おつげぶみ)を読み上げられた後、自らも新穀をお召し上がりになる。

秋篠宮殿下はその間、隔殿で正座。
その後、正殿正面外側の座に移られて、拝礼をされる。
新嘗祭の後も、祭祀へのお取り組みは皇太子と同様になされるはずだ。
しかし、特別な事情がない限り、(陛下より僅か5歳お若いだけの)殿下
ご自身が即位されることは、にわかに想定し難い。そのことは、
たとえ立皇嗣の礼を終え、壺切御剣を受け取り、祭祀に当たって
御殿内でのご作法に移られても、特に変更はないと考えられる。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/