高森明勅

男系限定派の小室圭氏への攻撃が男系の維持をより困難にする

高森明勅

皇室・皇統問題
2021年 10月 16日

皇位継承における男系限定の維持を唱える人々による
小室圭氏へのバッシングは、常軌を逸したものがある。
その結果、元々無理がある男系限定の維持は、
まことに皮肉ながら、決定的に困難になったように見える。

《女性天皇への期待が高まる》

小室氏へのバッシングはあろうことか、
秋篠宮家のご長女、眞子内親王殿下に飛び火した。
ばかりか、秋篠宮家全体にまで及んでしまった。

その結果、同家で育っておられる悠仁親王殿下が、
将来、天皇として即位されることを疑問視する声さえ、
次々と現れるようになった。
又、その裏返しとして、敬宮(愛子内親王)殿下の
ご即位を望む人々が、一段と増えて来ているようだ。
そのような流れを、私は決して歓迎していない。

むしろ不健全この上ないものと考えている。
あらゆる自由や権利が(当然、反論の自由も)制限され、
法的手段による対抗さえ事実上、封じられている皇室の方々への、
事実に基づかない批判はあってはならないし、
皇位の継承は、妥当かつ持続可能なルールによるべきで、
属人的な観点をむやみに混入させてはならないからだ。

しかし残念ながら、そうした傾向を見て取ることができる事実は、
否定できない。
その結果、女性天皇への期待はより高まっている。

《悠仁殿下のお気持ちは?》

更に、今回の異常なバッシングは、畏れ多いが、
それ以前から難しさを抱えると見られていた、
悠仁殿下のご結婚を一層、至難にしたと思われる。

そもそも、悠仁殿下ご本人としても、
大切な姉宮をご病気にまで追いやり、家族全体を不幸にして尚、
何ら懺悔・改悛の色が見えない国民の為に、
ご自身の掛け替えのない人生を犠牲にする使命感、
責任感、遣り甲斐をお感じになられるだろうか。

その上、全く予測し難いバッシングの狂乱を目の前に見て、
旧宮家系の男性が自由でプライバシーも保護される国民としての
生活を自ら捨てて、養子縁組によって皇族の身分を敢えて
取得するような(男系派が望む)人生の選択を行うことは、
普通の感覚の持ち主であれば、まず考えられないのではないか。

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