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継体天皇の即位を巡る「男系」都市伝説の真相とは何か?
高森明勅
第26代・継体天皇は歴代の天皇の中で天皇からの血縁が最も遠い。 応神天皇の5世の子孫とされる(『上宮記〔じょうぐうき〕』逸文ほか)。 「継嗣令(けいしりょう)」の規定(皇兄弟子条)では “4世”までが皇親(こうしん、天皇の血族)とされていた (養老令、但し大宝令にもほぼ同文の規定があったと推定されている)。 従って令の原則では、もはや皇親とは認められないほど...
令和の大嘗祭で「主基(すき)」地方が京都だったことの意味
高森明勅
ほとんど見逃されているが興味深い事実を取り上げてみる。 皇位のご継承に伴う伝統的な重大行事の1つに、 「大嘗祭(だいじょうさい)」という大がかりな 国家的・国民的祭儀がある。この祭儀で最も大切なのは、 そのつど選ばれる悠紀(ゆき)・主基(すき)両地方の 地元の国民(歴史的には公民〔おおみたから〕)が、 丹精を込めて育てた“稲”だ(詳しくは拙著 『天皇と国民を...
憲法第2条に規定する「世襲」という概念をどう理解するか(2)
高森明勅
では次に、政府見解はどうか。 当然ながら、一貫して学説上の「多数説」と同じ立場だ。 これまでの国会での政府答弁からいくつか取り上げる。 「必ず男系でなればならないということを、 前の(“皇男子孫”による継承を規定した)憲法と違いまして、 いまの(世襲という広い要件しか規定していない) 憲法はいっておるわけではございません」 (昭和41年3月18日、衆院内閣委...
憲法第2条に規定する「世襲」という概念をどう理解するか?
高森明勅
皇位の安定継承を目指す制度的検討を進める場合、 最も初歩的な論点は何か。 憲法第2条に「皇位は、世襲」との規定があるのを どう理解するか、ということだろう。 この点をハッキリさせる為には、判例・政府見解・学説に 目を配る必要がある。 しかし、今のところ判例はなく、今後もしばらく期待し難いだろう。 よって、政府見解と学説について簡単に紹介しておく。 まず、学説...
日本史学における古代の女性天皇をめぐる最新の研究状況
高森明勅
日本史学における近年の学説状況、研究状況を、 テーマごとに平易かつコンパクトに整理した著書が刊行された。 岩城卓二氏・上島享氏ほか編著『論点・日本史学』 (令和4年8月、ミネルヴァ書房)だ。 「現在の研究の到達点を提示した」(同書「はじめに」) というこの本に、「古代の女帝-仮の“中継ぎ”だったのか」 (義江明子氏執筆)という一文が収められている。 その中か...
「そこまで言って委員会NP」での華麗なる(?)前言撤回の場面
高森明勅
以前、読売テレビの「そこまで言って委員会NP」に ゲスト出演した時、レギュラー出演者の竹田恒泰氏を 問い詰めたことがあった。 答えに窮した彼はこう叫んだ。 「男系じゃない皇室なんて要らない!」と (正確に覚えていないが、大体こんな趣旨だったはず。以下も同じ)。 すると直ちに反応されたのは、俳優だった 故・津川雅彦氏。たった一言、 「そんなことを言うものじゃあ...
皇位継承「長子優先」ルールに対する皇室ご自身のお考えは?
高森明勅
皇位継承の在り方について、男系限定か女系容認かの 態度を明らかにせず、しきりに皇室ご自身のお考えを 最優先すべきだと言いながら、肝心な皇室のお考えを 謙虚かつ懸命に拝そうとする姿勢がまるで見えない人が、 時折いる。 要は、国民としての責任を回避して、 ひたすら問題解決の“先延ばし”を図っているだけ (又は本音としては無関心)。 皇室の方々は、憲法第1条及び第...
江森敬治氏の「長子優先」提起の背後あるものは何か?
高森明勅
『秋篠宮』の著者、江森敬治氏がゲスト出演された、 8月7日放送の読売テレビ「そこまで言って委員会NP」 の部分的な(大部分の?)“文字起こし”を拝見した (「世界のゴー宣ファンサイト」、根気のいる作業に 当たられたのはハンドルネーム「カレーせんべい」氏)。 これを見ると、江森氏はやはり秋篠宮家の皇位継承を巡る ご意向を踏まえて、出演されたように思われる。 ま...
『秋篠宮』の著者、江森敬治氏が「長子優先」を唱えた意味
高森明勅
読売テレビの「そこまで言って委員会NP」は、 これまで私も何度かゲストとして出演した番組だ。 8月7日に放送された同番組では、『秋篠宮』の著者の 江森敬治氏がゲスト出演されて、「今後のことを考えると、 将来的には長子優先も議論すべきではないか」という考えを 披露されたとか(同書については、プレジデントオンラインの連載 「高森明勅の皇室ウォッチ」で以前、少し辛...
「女性天皇」「女系天皇」容認への思考プロセスのおさらい
高森明勅
改めて、皇位の安定継承を願うなら「女性天皇」「女系天皇」を 認めなければならないという結論に至る思考プロセスを、 ごくシンプルにおさらいしておく。 〈1〉現状認識 天皇陛下の次の世代の皇位継承資格者は秋篠宮家のご長男、 悠仁親王殿下ただお1方(!)だけ。 皇位継承、皇室存続の将来は危機的状況にある。 早急に手を打たないと、敬宮(としのみや、愛子内親王)殿下を...
男系絶対=男尊女卑=共和国万歳!という「無血革命」の等式
高森明勅
ここに2旒(りゅう)の旗がある。 1旒の旗には「男系絶対」「男尊女卑」という文字が 鮮やかに染め上げられている。 その裏側には禍々(まがまが)しい文字で、 「共和国万歳!」と書かれている。 “皇室廃絶=無血革命”の旗だ。 もう1旒の旗には「君が代は 千代に八千代に」と記され、 裏側に「皇位の安定継承」という文字が輝いている。 “皇室防衛=日本再生”の旗だ。 ...
暮らしを巡る国際比較から見た伝統ある立憲君主国の優越性
高森明勅
先に、①健康=平均寿命、②豊かさ=1人当たりの名目GDP、 ③自由と人権=体制自由度という基準によって、 現代世界における君主国の位置付けを試みた (ブログ「平均寿命、1人当たりのGDP、体制自由度から見る 『君主国』」7月17日公開)。 その結果、①平均寿命が“80歳以上”、②1人当たりの名目GDPが “3万ドル以上”、③体制自由度(政治的権利40点満点+...
ルイ16世の処刑、フランス革命「恐怖」への幕開け
高森明勅
念の為に、フランス革命の“一場面”を紹介しておく。 ルイ16世処刑の場面だ。 これはフランス革命において、「恐怖」にピリオドを打つ出来事ではなく、 むしろ本当の「恐怖」への“幕開け”だった。 「(1793年)1月21日朝、(パリ市内の)すべてのセクション(地区) の戦士と連盟兵が二重の人垣をつくる通りを王(ルイ16世)を のせた馬車が進んだ。 革命広場は二万...
明治維新とフランス革命の比較から天皇・皇室を考える
高森明勅
以前、アカデミズムの主流では、「近代革命」の典型は フランス革命と見られていた。 しかし、やがて高々と掲げられた自由・平等・博愛(友愛)の理念に対し、 そこで流された流血のおびただしさにも、公平に目が注がれるようになった (そもそも、「保守」思想の重要な源泉の1つはフランス革命の 無軌道な“暴力”への恐怖だろう)。 そうした流れの中で、君主制を廃止しなかった...
皇室をめぐる「保守」系のこれまでの“反対”の間違いの数々
高森明勅
これまで保守系の人々は、皇室の「新しい風」にほとんど “脊髄反射的”に(見当違いの!)強い反対の態度を示して来た。 例えば以下のような具合だ。 ①上皇・上皇后両陛下のご結婚に反対 多くの国民が熱烈に歓迎する中(“ミッチーブーム”が巻き起こった!)、 上皇后陛下が“「平民」出身だから”というだけの理由で、 少数ながら頑固な反対があった(今となっては信じ難いだろ...
皇位継承の順序において「直系」を優先することは当たり前
高森明勅
皇室典範では、皇位継承の順序において「直系」優先の原則 (天皇のお子様やお孫様などを天皇のご兄弟その他のお子様などより優先する) を採用している。これは明治の皇室典範も現行の皇室典範も同じだ。 この点について以下のような指摘がある(園部逸夫氏『皇室法概論』)。 「旧皇室制度については、明治の初めからその検討が始まり、 種々の調査や議論を経て、明治22年の旧皇...
天皇陛下にお子様がおられても皇位の継承資格がない不条理
高森明勅
天皇・皇后両陛下には、お健やかでご聡明というレベルを超えた、 光輝くようなお子様がおられる。 言うまでもなく、敬宮(としのみや、愛子内親王)殿下だ。 にも拘らず、敬宮殿下には皇位の継承資格が認められない。 何故か? “女性だから”というのが唯一の理由だ(皇室典範第1条)。 それはおかしい、と直感できるのが健全な“感性”だろう。 不測の事態でも...
皇室の祖先神、天照大神は本当に「女性」なのか?
高森明勅
皇室の祖先神は天照大神。 皇居・宮中三殿の中央にある賢所〔かしこどころ〕に祀られている。 伊勢神宮(内宮〔ないくう〕)のご祭神〔さいじん〕であることは 改めて言うまでもない。 表記は天照大御神、天照坐皇大神など。 その性別は「女性」とされている。 日本神話の最高神であり、皇室の祖先神が“女性”というのは、 男尊女卑、女性差別的な価値観とはかけ離れた、 ユニー...
故・安倍晋三元首相は「旧宮家の復活を明言していた」??
高森明勅
産経新聞(7月19日付)のオピニオン欄に、 次のような記述を見かけた。 「男系男子による皇統の継承と旧宮家の復活を 明言していた大物政治家が安倍晋三元首相だった」 (竹内久美子氏)。 ところが、故・安倍元首相は 平成31年3月20日の参院財政金融委員会で、「旧宮家の復活」を 明確に「否定」(!)しておられた。 その事実を当時、産経新聞(同年3月21日付)は ...
「愛子天皇」は皇位の安定継承への道、「悠仁天皇」は…
高森明勅
繰り返すまでもなく、側室不在で非嫡出・非嫡系による 皇位継承の可能性が制度的に除外された条件下で、 それでも皇位の安定継承への道を探ろうとすれば、 明治以来の「男系男子」限定という男尊女卑的なルール (皇室典範第1条)を見直し、女性天皇・女系天皇・女性宮家を 可能にする皇室典範の改正が避けられない。 そのような制度改正が行われたら、次に即位されるのは、 直系...