五輪自体が以前ほどの関心を集めなくなった中とは言え、衆院選関連の喧騒で、ミラノ・コルティナ冬季五輪の話題が本当に薄いな、と感じています。
一方で、次回の夏季五輪は、色々な意味で「注目」が集まるのは間違いないはず。
次回2028年の夏季オリンピック開催地は米・ロサンゼルス。大統領選の投票は2028年冬なので、開催期間はまだトランプの在任期間中。もう最近は2年後の世界情勢がどうなっているかなんて本当に予測がつきませんが、(もし改憲して3期目立候補などがなければ)大統領としての最終期のビッグイベントにおいて、トランプがどのような発言や振る舞いを行うのか、大変興味深い所です。
何日か前からそんな事をぼんやり考えていたのですが、そこに直結するようなニュースを見かけました。
米国選手「今、国を代表するのは複雑」 トランプ氏は「負け犬」と批判〔ミラノ・コルティナ・オリンピック〕(時事通信)
フリースタイルスキー代表のハンター・ヘス選手が「今、米国を代表するのは複雑な感情がある。国旗を身に着けることは、米国で起こっている全てのことを代表しているという意味ではない」と述べた事について、トランプはSNSで「ヘスは本物の負け犬だ。彼のようなやつを応援するのは非常に難しい」と罵倒。
オリンピック選手という「国を背負ったスター」は、属人的な成果やヒーロー性を政治的ポピュリズムに利用しやすい存在です。それが、逆に国家に批判的な発言をした事で頭に血が上って、ネトウヨのXポストみたいな事を言っちゃうとは…トランプ、全くの「通常運転」ですね(笑)。
極端に過激な内容でもないヘス選手の発言にここまで反応するのですから、もし自国開催の五輪代表に、自身の面子を潰されるような発言をされたら、トランプはどれだけ荒れ狂うんだろう?
さて、オリンピックとポピュリズムという点では、日本においても元オリンピック選手の政治家が、現職、元を問わず大勢存在します。水泳の鈴木大地が、昨年の参院選で自民から立候補して全国2位の得票数で当選したのは記憶に新しい所。他にも、橋本聖子、馳浩(プロレス以前に、レスリング選手として1984年のロス五輪に出場)、釜本邦茂、谷亮子など、スポーツ選手にとって政治は「定番の天下り(上り?)先」となっています(麻生太郎が射撃で五輪に出てるのはちょっと別カテゴリで(笑))。
今回の冬季五輪のメダリストが帰国して首相官邸を訪問したら、高市首相がカメラの前でハグしてキスする勢いでのアクションをとる事が想像されます(「元選手」側でも、若い選手にキスしてしまった自民党議員がおりますが(笑))。
日本では可能性が低いと思いますが、もしヘス選手のような発言を行う選手が日本からも出たら、高市首相はどんな態度をとるんだろうか?ちょっと興味がありますね。
ここからは余談的な事ですが、1975年生まれの自分は、日本がボイコットした1980年のモスクワオリンピックは全く記憶に無いので、前回の1984年ロサンゼルスオリンピックが「初めて意識したオリンピック」です。
1984ロス五輪は、商業的・エンタメ的な路線に大きく舵を切った、五輪の転換点と言われます。そこから半世紀近くを経た2028ロス五輪は、世界の姿や価値観が大きく変容する中での開催になる事は間違いありません。
個人的には「同地開催」での2つの五輪を取り巻く世界の姿を、生身で比較できる貴重な機会になりそうな気がしています。
同じく「同地開催」の1964年東京五輪は生まれる11年前なので「戦後日本の高度成長の象徴」という情報でしか知らず、「生身」で体験した2021年はコロナ自粛下の無観客開催なので、(コロナと関係の無い、キャンセルカルチャーの連鎖など色々なゴタゴタも含めて)「日本の没落の象徴」のような感覚になっています。
新国立競技場の側は毎週のように通るのですが、近ごろ各地で騒ぎになっている「〝木を多用したデザイン〟に腐食が生じる問題」がここでも発生しだしたら、ますます寂しさに拍車がかかりそう。
↑という事を書くにあたり国立競技場について調べたら、今年からネーミングライツで「MUFGスタジアム」になってるんですね!(スポーツ音痴すぎて恥ずかしながら知りませんでした)。
地方自治体の施設ならまだしも、「国立」の名を冠した競技場が、銀行グループのネーミングライツになっちゃってるの、色々と侘しい。