帯を締めた状態で椅子に座っていると、背筋が勝手にまっすぐ伸びるなあ。
先週から、1日1回、きものを着る練習をしているんだけど、8日目にして、ようやく、「ひと通り着ること」だけはできるようになった。
だけど、帯のお太鼓部分に模様がちゃんと出ていないし、衿合わせもいまいち綺麗じゃないし、おはしょりはボコボコしているしで、まだまだ道は遠い……。
そもそも仕上がるまでに2時間半かかってるし!
いや、2時間半かけてでも、下手なりに絶対にやり遂げるぞという自分の執念深さだけはすごいと思うんだけど。
最初は、お茶や観劇ぐらいなら着ていけるような、紬(つむぎ)の着物で練習していたんだけど、あまりにうまく着られないので、「だいたい、紬ってのは、難しい着物なのでは?」と、生地のせいにするという思考に。
で、リユースの着物屋で、3000円の木綿の付け下げを買ってきたのだけど、結局、同じように難しかった。むしろ、紬のほうが生地のハリがあって着やすいかもしれん……。
しかし、背中に手をまわして帯をからげたり、帯枕を通すためにゴソゴソ背中をさぐったりしていると、着物を当たり前に着ている人や、昔の時代の人って、肩関節や肩甲骨が相当やわらかくて丈夫なんじゃないかと思う。今みたいに巨大な鏡がなかった時代は、見えない部分も手順と手の感覚でつかんでいたのだろうし、小さな鏡に部分的に映しながら、右脳で全体像を想像するということを自然にしていたんだろう。
典型的現代人の私は、「後ろ手で帯を支えながら、仮紐を手にとる」という作業だけでも、腕の筋肉が疲れてくる始末。筋トレが必要かも……(という発想がまた典型的現代人)。
でもまあ、ひとまず最後まで着られたので、今日は達成感!
着てみると、平たい胴族の私にとっては、和装のほうが合うやんと思えてくる。どちらにも見えるような中間色が豊かで、ひとえに「緑」と言っても、青朽葉、柳茶、苔色、苗色、若竹色、青竹色などなどものすごい数の色彩が捉えられているところも豊かさがあって、楽しくて好きだ。
来年はもう少しきれいに着られるようにがんばろう。