小林よしのり

介護報酬の引き下げは大丈夫なのか?

小林よしのり

2014年 12月 24日


「報道ステーション」で特別養護老人ホームが映っていたが、

老婆の様子がものすごかった。

白髪がはげかかっていて、もちろんセットなどされてない。

モノを考えているのか否かもわからず座っている者、

フラフラよたよた歩き回る者、赤ちゃんみたいに食べ物を

食べさせてもらっている者。

 

そういう老人が何十人か収容されているのだが、このホーム

への入所を待っている老人が何万人もいるのだから、

ため息が出る。

団塊の世代が老いるころには、とてつもない人数が

老人ホームの入所を待ちわびるようになる。

 

事態は深刻だが、政府は介護報酬を引き下げる検討をして

いるという。

 

誰もが老いぼれるのだ。

おまえたちも、全員、必ず、確実に老いぼれるのだぞ!

老いたらおしまいだ。

よっぽど家族関係が強固で、愛情あふれる家庭なら、

家族が面倒見てくれる可能性もあるが、ほとんどの家族は

親の老後の面倒を見る保障なんかない。

 

子供が先に死ぬこともあるし、病気になることもあるし、

経済的に親の面倒を見れないこともあるし、親が認知症に

なったら子供は地獄を見る。

 

そもそも子供は親の老後のために、自分の人生の可能性を

捨てるべきなのか?

親は子供の人生の可能性を奪ってしまってもいいのか?

それは単なるエゴではないか?

子供に迷惑をかけながら、生き延びる心苦しさを感じない

老人は人格が劣っているのではないか?

 

家族からも国からも見放される老人がこれから増えていく。

その中の一人に、君たちがいる。