高森明勅

ストリップ断想(続)

高森明勅

2014年 7月 8日

前回のタイトルを誤読した人がいたようだ。

ストリップ「妄想」と。

妄想じゃない。

「断想」だ。

「まとまらない、短い感想」
折に触れて感じた断片的な想い」といった意味の“断想”。

ストリップと来れば、自然に「妄想」と繋がるのか。

それとも、そいつだけ頭の“妄想”傾向が強いのか。

それはともかく、前回(続く)なんて書いた後で、
こんなの続けても何の意味もないな、
と気付いた。

馬鹿馬鹿しいから止めよう、と。

ところが何故か、好評頂いているようだ。

不思議。

止せばいいのに、続編を楽しみにする向きも。

仕方がないので、面白くもないし、勿論有益でもないと思うが、
恥を晒して「続き」を書く。

その二。

これは、私が大学生だった頃の話。

その頃、渋谷道玄坂の百軒店辺り(地名の記憶もあやふや)
ストリップ劇場があって、どういうルートからか、
そこの入場券が何枚か手に入った。

OB経由だったろうか。

それで早速、仲間たちと劇場に繰り込む…のではなく、
大学内で、
学生らにその券を売り付けにかかった。

お金に換えて、渋谷の(ストリップ劇場ではなく)
赤提灯に繰り込むためだ。

エロより酒!というのが、当時の私の価値観。

というか、それは今も変わっていないかな。

ところが、その頃から学生どもは妙に上品ぶっていた
(というか、
私が下品なだけ?)。

どれだけ懇願しても、誰も買ってくれない。

まぁ今考えてみると、白昼堂々と、
大学内でストリップ劇場の入場券を売り付けようとした、
私の方が少し風変わりだったのかも知れないが。

女子学生の手前も勿論あっただろう。

また、学生はみんな貧乏だったこともある。

その後どうなったか?

記憶は鮮明ではないが、少なくとも幾らかは売れて、
ある程度まとまったお金を手に入れたはず。

問題は誰に売ったかだ。

学生は皆、尻込みして買ってくれなかった。

となると、当時の私がやりそうなのは、
大学の職員に売り付けること(勿論、
紳士的に)。

だから恐らく、職員に売ってお金に換えた、
んだと思う。

とにかく、渋谷で行き付けの汚い焼き鳥屋(鳥正だったか?)に
繰り込んだのは確か。

しかし今なら、学生からストリップの券を買うような、
大らかで侠気(おとこぎ)
のある大学職員は、まずいないだろう。

というか、そもそもそんなのを売り込もうとする不良学生もいないか。

それにしても、学生運動やって大学当局を糾弾したりしながら、
一方で同じ人間が、酒を呑む為にストリップの券を
売り捌いているんだから、
昔の学生なんていい加減なもんだ。

って俺のことか。

(続く…かも)