小林よしのり

自衛隊トップと米軍トップで安保法制は決めていた

小林よしのり

政治・経済
2015年 9月 2日


「報道ステーション」を見て驚愕した。

安倍首相がアメリカの議会で「安保法制を夏までに成立させる」

と公約したから、今の異様で強引な法案審議があると思って

いたが全然違っていた。

 

去年末の時点で、自衛隊の河野統合幕僚長が訪米し、米軍幹部

たちと会って、その時点で「夏までに安保法制は成立する」と

明言していたのだ!

つまりとっくに文民統制は崩れていて、自衛隊トップが米軍の

希望通りに軍事を動かしていただけなのだ。

 

戦前は軍部の暴走を政府が追認するしかなかったのだが、

現在も自衛隊の暴走を政府が追認しているだけじゃないか!

いや、戦前よりもっと酷い。

自衛隊にも、政府にも、まったく主体性がなくて、両者ともに

米軍に従属するだけになっている。

自衛隊が暴走して米軍に従い、政府が喜んで自衛隊の暴走を

追認するという、恐るべき属国状態になっているのである!

一体、日本の「誇り」はどこにあるのか?

 

自衛隊はアフリカのジブチで現在活動しているらしいが、

将来そこを中東への活動拠点にするつもりらしい。

そのジブチのすぐ横のソマリアでPKO活動をしていた

ウガンダ兵が、アルカイダ系過激派組織に襲撃されて、

50人もの兵士が死亡したというニュースも入ってきた。

自衛隊は今後、PKO活動で駆けつけ警護をするのだから、

こりゃあ死者が出るだろう。

 

戦前の失敗は憲法に文民統制の歯止めがなかったからと

思っていたものだが、戦後はどうせ憲法なんか無視する

のだから、軍の歯止めなんかシステムでは作れないという

ことなのだ。

「自国の法など無視する、米軍の望むままにする!」

そう自衛隊トップと、外務省と、政府が決めてしまえば、

国民なんか騙してしまえると思っている。

あきれ果てた国家になったものだ。