小林よしのり

徴兵制は「苦役」ではない!

小林よしのり

政治・経済
2015年 9月 2日


朝日新聞(92日)の「耕論」のページにわしの意見が

載っている。

国民の『自主防衛』が原則」という見出しだ。

内容は「徴兵制は苦役ではない、国防は崇高な職務である

というど真ん中の意見から述べている。

 

これは全然、右翼的意見ではない。

民主主義の基礎的見解であるから、ど真ん中なのだ。

国民皆兵はルソーの「社会契約論」の要諦であり、

近代国家の骨格なのである。

安保法制反対のデモに参加した坂本龍一が、フランス革命に

憧れているらしいが、ならば国民国家のために、徴兵制に

賛成しなければならない。

 

安倍首相や読売・産経系の従米保守は、兵器が近代化したから

徴兵制はあり得ないと否定するが、現に自衛隊が隊員の確保に

苦慮しているのは事実である。

歩兵は必ず必要で、採用試験がそんなに難しいわけではない。

貧困層を狙う経済徴兵制は法の下の平等に反するという批判が

必ず出てくるので、徴兵制の方が理に適う。

 

安倍首相も従米保守も、教養が足らないし、臆病者だから

徴兵制を「苦役」などと言っているのだ。

「社会契約論」から見ても、従米保守は左翼である。

 

わしの意見を朝日新聞が載せたのは凄いことだ。

多分、抗議がいっぱい来るのではないか?

教養のある読者がいれば、むしろ賛成してくれるだろう。

「従米真理教」と化した無教養な自称保守に期待するより、

ポジショントークに堕さぬことを覚悟した朝日新聞寄りの

リベラルの方が期待できるのかもしれない。