小林よしのり

わしは絶好調なのだが

小林よしのり

日々の出来事
2015年 12月 19日


ひたすらSpecial本のコンテに没頭している。

10章まで上げて、現在、第11章をやっている。

コンテは順調に上げているのだが、問題はペン入れの方だ。

わしのペースに全く追いついてこない。

 

以前は、わしがスタッフに追いつかれそうで、必死で逃げ

切るというようなこともあったはずなのに、仕事場に

コンテだけがどんどん溜まっていくという状態だ。

 

やけにペン入れが遅いと思っているのだが、『大東亜論』の

完成した原稿を見ると、その絵の完成度に思わず唸ってしまい、

顔がほころぶ。

わしも単純なのだが、絵が期待値を超えると、瞬間的に機嫌が

よくなってしまい、スピードの遅さには目を瞑ってしまう。

 

こんな状態では、一年に一冊出すのがやっとだろう。

漫画なんか博打と同じで、描いて、出してみないと何が当たる

かわからない。

時代の空気の変化というものがあるから、多作であることが

一番重要なのだ。

時代の空気の要請と一致するまで描き続ければいいのだ。

 

幸いにも、わしは描きたいアイデアが頭の中で溢れ返っていて、

スタッフの手が速くなれば、いくらでも描くことができる。

『ゴー宣』シリーズも色んなテーマで論じることが出来るし、

まったくのフィクションでもアイデアが溜まっている。

『おぼっちゃまくん』を連載することも可能だろうし、

まだ世に出していないギャグ漫画のキャラのイラストまで、

ストックしている。

ただひたすらスタッフのスピードだけだ。

 

還暦過ぎてどういうわけだか、頭脳の回転率が高まったようで、

しかも昔のように煩悩が大きすぎることもない。

わしは絶好調なのだが。