高森明勅

一旦皇籍離脱しながら天皇に即位した例とは?

高森明勅

2016年 9月 10日

皇室の歴史で一旦、皇籍を離脱し、
その後再び皇籍に復帰して、
天皇として即位した例がある。

第59代宇多天皇だ。

先代の天皇の皇子ながら皇籍を離れた。

しかし、離脱していたのは僅か3年だけ。

又、宇多天皇が皇籍から離れていた期間に
生まれて天皇になったのが第
60代醍醐天皇。

それぞれ例外的な唯一のケース。

更に第26代継体天皇の場合は、応神天皇の5世の孫で歴史上、
天皇との血縁が最も遠いものの、当時なお皇族の身分を
失っていなかった事実が、
和歌山県の隅田八幡神社に
伝わる人物画像鏡の銘文から分かる。

よって、旧宮家系国民男子のように、
天皇との血縁が桁違いに遠く、
皇籍を離脱して何十年も経過し、
世代も替わっている人物が、
改めて皇籍を新しく取得し、
天皇になる資格を得るという事態は、
全く前例がないし、
伝統的な皇室と国民の厳格な区別を大切にする
考え方からは、
まるでかけ離れている。

平素、皇室の伝統を強調する人たちが、こんな破天荒なやり方を
しぶしぶ黙認するどころか、
積極的に推進しようとしている。

甚だ奇怪で不可解だ。