高森明勅

五輪招致、石原慎太郎氏の妄動

高森明勅

2016年5月19日 06:00

五輪招致を巡り、水面下では様々な後ろ暗いやり取りが、
熾烈に繰り広げられる。

というのは、周知の事実だろう。

今回の不正疑惑も、
たまたま露呈した氷山の一角に過ぎないだろう。

にも拘らず以前、五輪招致委員会の名誉総裁にあろうことか
次代の天皇たる皇太子殿
下に就任戴くプランを、ぶち上げた人物が
いた。

当時の都知事、石原慎太郎氏だ。

皇太子殿下をお支えする東宮(とうぐう)職のトップ、
東宮大夫(だいぶ)が「あり得ない」
と即座に否定したら、
一地方首長の分際で、不埒にも東宮大夫を「
木っ端役人」呼ばわりする
一幕もあった。

もし皇太子殿下が五輪招致に僅かでも関与されていたら―
と思うと、
その時の石原氏の無分別な言動に、
改めて憤りを覚える。

皇室は高貴かつ偉大な「威力」を備えておられる。

それだけに、政治的な利用を企てるのは、
残念ながら石原氏に限ったことではない。

しかし皇室の政治利用は、その尊厳を著しく損なうことになる。

国民はくれぐれも監視を怠ってはならない。