高森明勅

三笠宮殿下の占領下のご発言

高森明勅

2016年 11月 2日

去る10月27日、昭和天皇の弟宮に当たられる
三笠宮崇仁親王殿下が亡くなられた。

満百歳。

謹んで深悼申し上げる。

亡き殿下をお偲び申し上げる縁(よすが)として、
ここに昭和21年6月8日のご発言の一部を謹んで掲げる。

当日、枢密院で憲法改正草案(「日本国憲法」案)の議決が行われた。

その場に望まれた三笠宮殿下は、次のように発言されている。

皇室典範については、現在その改正には皇族会議(成年男子皇族に
よって組織され、内大臣・枢密院議長・宮内大臣・
司法大臣・大審院長
が参列。天皇がお出ましになり、
又は皇族から議長を指名される
ー引用者)の諮詢(しじゅん、
参考として問い求めること)を経ること
になっているが、
この草案では、典範は皇族と関係なしに議会で
定められることになつている。

皇室のことを一番よく知つている皇族が関与しないのは遺憾である

法律的には別として現実的にはタツチできるようでありたい。…

(佐藤達夫著・佐藤功補訂『日本国憲法成立史』第3巻)

8月8日の天皇陛下のお言葉さえ眉をひそめる
「保守」
系知識人は、このご発言をどう受け止めるのか。