小林よしのり

「面従腹背」はやむを得ない倫理だ

小林よしのり

政治・経済
2017年 7月 11日


産経新聞の産経抄が、文科省前次官・前川喜平氏の

バッシングを続けている。

役所を退いてから加計学園の問題点を指摘したからと

言うのだ。

在職中に、左遷人事を恐れず、政治家に直言すべき

だったと言っている。

それは一つの正義のありかただろう。

 

だが、昔と今は違う。

「内閣人事局」の設立によって、もはや「国家」のため

でなく「官邸」のために働く官僚しか生き残れなくなって

いるのだ。

これは重大な変化である。

 

真正面から正義・正論をぶつける者は、たちどころに

首が飛ぶ。

これでは官邸の奴隷しか残らない!

 

公務員は、官邸の僕でなく、公の僕であるべきだ。

現状でそれを貫くためには、前川氏の言うように

「面従腹背」しか方法論としてないだろう。

 

文科省の次官として、やりたいことがあれば、

「面従腹背」しかない。

それは権力が腐れているからだ!

権力が「腹心の友」のために便宜を図り、国民の財産や

税金を無駄づかいするまでに堕落しているからである!

 

「内閣人事局」を直ちに廃止して、公務員の主人を

「官邸」ではなく、「公」の元に戻せ!

産経抄は実に浅い!