小林よしのり

道徳でパン屋は和菓子屋に直される劣化した愛国心

小林よしのり

日々の出来事
2017年 3月 27日


小学校の道徳の教科書から「パン屋」は「和菓子屋」に改めら

れるという。

パン屋では愛国心が少ないからだそうだ。バカバカしい。

 

木村屋のあんパンや、ジャムパンや、クリームパンなど、

いろんなパンが日本製だろう。

外国から入ってきたパンも日本的にアレンジして発展している。

 

愛国心や郷土愛を道徳で教えるとなると、パン屋は愛国的では

ないと判断されるのだから、日本人はバランス感覚が相当悪い。

 

以前は自虐史観が教科書にはびこって、日本人は悪の歴史しか

なかったように教え込まれ、今は道徳で愛国心を促すとなって

パン屋がダメなんて言い出す。

愛国心は道徳で教えるものなのかも疑問だが、日本人はいつも

極端から極端だ。

 

現在は安倍政権から日本会議から読売・産経からネトウヨまで、

劣化した愛国心が蔓延して、とうとう森友学園の教育勅語暗唱

にまで行きついてしまった。

 

教育勅語は明治憲法が立憲主義で、道徳を憲法に書けないことを

明治人が知っていたからこそ、天皇が考えられた言葉だ。

極端な西洋化に民心が揺らいだ時代だからこそ天皇が発せられた

言葉であり、あくまでも命令ではない。

左翼の解釈も間違っているが、劣化した右派愛国者の解釈も

間違っているから、めんどくさいので今は黙っておく。

 

皇統の男系固執主義といい、とにかく保守を自称している者たちの

劣化が目に余る。

もううんざりだ。