小林よしのり

凶暴になる覚悟

小林よしのり

日々の出来事
2018年 1月 8日


わしの父は56歳で定年退職した。

星野仙一は70歳で死んだ。

そう考えると64歳のわしはもう晩年に入っている

ことになる。

 

自分の年齢や、スタッフの生活や、出版業界の衰退を

目にすれば、わしもそろそろ守りに入らなければなら

ないのかもしれない。

 

出版不況の厳しさは相当なもので、漫画雑誌の編集者が

「下りのエスカレーターを必死で駆けあがっているよう

なもの」と言っていた。

漫画だけでなく全雑誌が部数を落としているのだ。

 

こんな時代に、わしも守りに入るべきか?

仕事場の規模を小さくして、コストカットしまくって、

堅実な仕事をしつつ、穏やかな余生を目指すべきか?

 

だがわしは全然そんな気持ちになれない。

まだ40代の気分で、挑戦と野望しかわしの頭の中に

はないんだが、これっておかしいのだろうか?

 

わしには論敵への礼節がないとか、もっと高みに上れ

などと言う者がいるが、あほらしいこと言うなと思う。

円熟したらダメで、もっと毒牙の毒を増やさねばなら

ない。

ついつい優しくなる自分を反省しなければならない。

 

今年の目標は、もっとギラついて、昔の『ゴー宣』の

「凶暴さ」に戻っていくことだ。

「凶暴」になるぞ――――――!