高森明勅

元号と「ご聴許」

高森明勅

2018年 5月 5日

元号を改める場合のポイントは
「ご聴許(
天皇陛下が聞き入れてお許しになること)」。

時事通信の記事「新元号の選定本格化」(5月5日8時22分配信)
によると、「
昭和」から「平成」への改元に当たり、
閣議で正式に決定する前に、今上陛下にご報告していた。

当時の石原信雄内閣官房副長官から宮内庁に
陛下のお耳に入れて欲しい」と連絡。

恐らく藤森昭一長官を通じて、事前に「平成」
という元号を
お伝えしていた。

これによって、予め天皇陛下の「ご聴許」を戴いた上で、
新元号が決まったと見る事が出来る。

つまり「内閣の元号」ではなく「天皇の元号」
という
伝統を守る手順は、ギリギリ踏まれていた。

この度の報道で、その事実を改めて確認出来た。

来年に予定されている改元でも、
くれぐれも「ご聴許」
を欠かしてはならない。